研究課題/領域番号 |
05455022
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
片岡 一則 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (00130245)
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研究分担者 |
桜井 靖久 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 教授 (20010027)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ポリエチレングリコール / ポリアスパラギン酸 / ブロック共重合体 / アドリアマイシン / 高分子ミセル / ヘテロ二官能性オリゴマー / 体内動態 / 固型ガン / ヘテロニ官能性オリゴマー / 薬物ターゲティング / 制ガン剤 |
研究概要 |
我々が長年にわたり検討してきた高分子ミセル型薬物運搬体の概念をもとに、明確な標的認識能を有する高分子ミセル型医薬の創成を目的として、ミセル表層部に抗体等の認識分子を結合させ得る標的指向性高分子ミセルの分子設計を推進した。標的指向性高分子ミセルの調製にあたっては、両末端に異なる官能基を有するヘテロ二官能性ポリエチレングリコールの新規合成法を確立し、その一方の末端からα-アミノ酸Nカルボン酸無水物の重合を開始することによって、末端官能性のブロック共重合体を得た。引き続いて、ブロック共重合体の連鎖長ならびに薬物(アドリマイシン)の導入量と得られるミセルの物理化学的特性(安定性、大きさ等)との相関を明らかとした。この様にして得られた腫瘍指向性高分子ミセルについて(i)保存安定性等の製剤学的評価、(ii)培養細胞系を用いる制がん活性のスクリーニング、(iii)in vivoにおける腫瘍集積性ならびに抗腫瘍活性を中心とした機能評価を行ない、標的指向性医薬としての有用性を明らかとした。近年、薬学分野においては、従来までの薬物の全身投与に代わり、より副作用が少なく、かつ治療効率の高い標的指向性医薬への期待が高まっている。両親媒性ブロック共重合体のミセル内核に薬物のミクロリザーバーとしての機能を持たせ、外殻にポリエチレングリコールの保護相を形成せしめる事によって、生体内における非特異的異物排除の防止と高い標的集積性とを実現しようとする我々の概念は世界的にも他に例を見ないものである。本研究は、標的認識性高分子ミセルという新規薬物運搬システムの実現を通じて、制がん剤をはじめとする様々な薬物の新たな薬効を導き出そうとするものであり、DDSの本質的な有用性の実証に大きく貢献することが確信される。
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