研究分担者 |
高垣 善男 中外製薬研究所, 研究本部長
泰 順一 (秦 順一) 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
玉置 憲一 東海大学, 医学部, 教授 (50055860)
野村 達次 財団法人実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
田中 悟 国立衛生試験所, 安全性生物試験研究センター, 室長 (90124388)
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配分額 *注記 |
38,000千円 (直接経費: 38,000千円)
1995年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1994年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1993年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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研究概要 |
ヒトプロト型c-Ha-ras遺伝子を導入したrasH2/CB6F1トランスジェニックマウスにgenotoxic carcinogenを投与し,遺伝子非導入マウスと比較した.本研究はrasH2/CB6F1トランスジェニックマウスを短期発がん性試験法のモデル動物として検討する嚆矢と位置づけられる. 発がん性短期試験法(6か月以内)では,4-nitroquinoline-1-oxide,cyclophos phamide,N,N′-diethyl-nitrosamine,N-methyl-N-nitrosourea,N-methyul-N′-nitro-N-nitrosoguanidine,methylazoxymethanolを用い,遺伝子非導入マウスに比較してこれらのgenotoxic carcinogenに対して,感受性を示すことが明らかとなった. rasH2/CB6F1トランスジェニックマウスは遺伝子非導入マウスより,より早期に腫瘍が出現した.悪性の腫瘍はrasH2/CF6F1トランスジェニックマウスにのみ認められ,同様に行った遺伝子非導入マウスには認められなかった.それぞれの発がん性物質はrasH2/CB6F1トランスジェニックマウスの標的器官に対応した腫瘍が出現した.肺の腺腫のみが,6か月の発がん性試験期間中に自然発生腫瘍として認められた.これらの結果は,遺伝子非導入マウスよりもrasH2/CF6F1トランスジェニックマウスは,より悪性度の高い腫瘍の,より早期の出現時期と高い出現率が期待されることを示している. rasH2/CB6F1トランスジェニックマウスは,genotoxic carinogenを用いた場合,短期発がん性試験システムの開発に有用なモデル動物になるものと考えられた.
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