研究概要 |
情動の生理的な指標として多用される従来型脈波センサーの欠点を洗いなおし,新しい多用途型で超小型の脈波センサーを試作完成して,主として心理学,精神生理学の各種実験と臨床検査場面への適用をはかった.本年度は完成年度にあたるので,研究成果のとりまとめも同時に進行させた.詳細は研究成果報告書に譲るが,成果の概説はセンサーの特徴を含めて以下に示す通りである. 完成させた超小型脈波センサーは,(1).超小型であり,発光部(LED)と受光部(Ptr)が一体になっている.(2).発光スペクトルのピーク波長と受光部の分光感度スペクトルのピーク波長が近接している.(3).外光の擾乱を受けにくい.(4).発光部からの発熱をほとんど考えなくて良い.形状的にはエポキシ樹脂にモ-ルドされており,直径5mm,高さ2mmの円柱形をしている.装着部位に対する加重の付加を考慮し,リ-ド線には直径0.4mmの3本よりステンレス線(クイナワイア)を使用している.市販されている従来型に比較して,超小型化に成功した結果,被害者や患者が装着時に感ずる心的負担は大幅に軽減した.この超小型脈波センサーは睡眠時のような長時間の連続測定においても,被害者の夜間体動を拘束するとなく,安定した出力を示した.従来型と当該型の同時期録を行い,得られた脈波波形を自己相関,相互相関分析した結果,非常に類似した値が得られた.
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