研究課題/領域番号 |
05555021
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
早川 禮之助 (早川 れい之助) 東京大学, 工学部, 教授 (00011106)
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研究分担者 |
田中 克治 大塚電子(株), 技術部, 係長
岡 宏一 大塚電子(株), 研究開発部, 部長
木村 康之 東京大学, 工学部, 助手 (00225070)
伊藤 耕三 東京大学, 工学部, 助教授 (00232439)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 準弾性光散乱 / 電気泳動 / 2次元スペクトロスコピー / 周期的定常系 / 拡散定数 |
研究概要 |
本研究の目的は、各種の物質・材料の微視的揺らぎに関して従来より格段に詳細な情報を得るための測定手段として、核磁気共鳴法(NMR)や赤外分光法(IR)におけるスペクトルの2次元化の手法とは異なる原理に基づいた、新しい2次元測定法としての2次元準弾性光散乱スペクトロスコピーを開発することにある。 平成5年度は、レーザー光源、正弦波高電圧発生器、測定用セル、ヘテロダイン光学ユニット、フォトンカウンティング方式を用いた光検出系などから構成される2次元準弾性光散乱スペクトロメータの製作と平行して、スペクトロメータの簡単なプロトタイプを構成して2次元準弾性光散乱の予備的な実験を行った。また平成6年度には、2次元準弾性光散乱スペクトロメータとパーソナルコンピュータを接続するインターフェースユニットの製作とともに、我々が見出した周期的定常系に拡張されたウイーナー・ヒンチンの定理に基づいて、2次元の相関関数を経由することなく、散乱光の揺らぎから直接2次元パワースペクトルを計算するソフトウェアの開発を行ない、2次元スペクトルのリアルタイム測定システムを製作した。以上のようにして完成した測定システムを用いて、ポリスチレンラテックスやポリスチレンスルホン酸などの標準試料について2次元準弾性光散乱を測定し、本研究で試作したシステム全体の特性評価を行なった。その結果、従来の測定法では原理的に得られなかった、微視的な応答関数である高分子イオンの複素電気泳動易動度μ^*=μexp(iδ)の位相成分δの測定が初めて可能になった。また従来の測定法に比べ、複素電気泳動易動度の測定精度が格段に向上すること、高周波域における測定精度が大幅に改善されることが明らかになり、本測定法の高精度・広帯域スペクトロスコピーとしての有効性が示された。
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