配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1993年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
本研究では下肢障害者用の移動装置として人間が搭乗して操縦する形式の歩行移動装置を対象とし,その脚機構の総合,試作実験および理論計算による歩行特性の解析を行った. まず本歩行装置が人間の生活環境内で移動することを前提条件とし,その具体的な仕様を決定した.歩行環境の大部分が平らな水平面であることから,脚運動を水平面定常歩行用の基本運動と坂道や階段上の歩行用の調整運動に分けて考え,前者を1自由度の4節近似直線運動機構により,後者を2自由度の5節機構により創成し,それらをパンタグラフ機構により合成して足部へ伝達する脚機構を提案した.水平面定常歩行における本体の高さの変動や遊脚の接地角などを考慮した4節近似直線運動機構の総合法を導き,その諸元を決定した.階段昇降時の足部運動の計画法を導くと共に,足部の作業領域を考慮した5節機構とパンタグラフ機構の総合法を導き,その諸元を決定した.さらに歩行面に存在する未知の微小な凹凸による本体の傾きを修正するために,両脚支持期間において足関節などの固定・開放を制御することによる受動的な修正法を提案し,具体的な制御則を明らかにした. 次に歩行装置(全高1179mm,全質量136kg)を試作し,歩行装置の足部が所要の作業領域を有していることを確認して歩行実験を行ったところ,歩行装置が最大歩行速度が50歩/分の水平面定常歩行および20mm程度の凹凸を有する平面上の安定な歩行を実現することが確認された. さらに歩行装置の本体沈込みについて,脚機構の対偶すきま,駆動系のバックラッシおよび伝動軸や本体フレームの弾性変形を考慮して理論解析を行って実験値と比較し,本体の沈込みに関する設計資料を得ることができた.
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