研究課題/領域番号 |
05555060
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
谷下 一夫 慶応義塾大学, 理工学部・機械工学科, 教授 (10101776)
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研究分担者 |
小林 弘祐 (小林 弘裕) 北里大学, 医学部, 専任講師 (70153632)
山田 寛幸 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (90182550)
南谷 晴之 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
益田 重明 慶応義塾大学, 理工学部・機械工学科, 教授 (90051664)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | テーラー拡散 / 振動流 / 人工呼吸器 / 気官内流れ / 高頻度振動換気 / 気管内流れ |
研究概要 |
近年、高頻度振動換気(HFO:High Frequency Oscillation)という人工呼吸法が、顕著なガス交換改善の効果の故に広く臨床医学的に注目されている。高頻度振動換気とは、1回換気量を解剖学上の死くう体積以下の1〜3ml/kgに減少させ、換気回数を5〜30Hzと大幅に増やすことにより生ずるガス交換の改善の効果を利用する人工呼吸法である。この方法を用いることにより、肺の圧力損傷を回避し、肺血流量の呼吸性変動を抑えることが出来、特に新生児の呼吸不全に対してその有用性に関心が持たれている。 HFOにおける気官内の流れは振動流であるが、そのガス交換のメカニズムに関して不明な点が多いため、臨床的にこの方法を適用する際は、経験的に施行条件を決めている。そこで本研究では、高頻度換気に関する流体力学的な側面、とくに気官内でのテーラー拡散によるガス交換の効果に着目し、流れとガス拡散との関係を明らかにして、高頻度換気のガス拡散に関する工学的な評価を行い、臨床的に有用な人工呼吸器を開発し、その最適施行条件を明らかにすることを目的とする。その結果、気道内の流れ(乱流、分岐部の曲率による二次流れなど)が軸方向ガス輸送を促進する事実が明確になり、さらに流れの流量の時間的なパターンを変えることにより、ガス輸送を促進することが解った。即ち、流量パターンに静止期を導入することにより、断面内拡散のための時間が与えられ、その結果として、軸方向のガス輸送量が増大する。これらの結果を応用することによりかなり高性能な人工呼吸器を設計することが可能で、本研究で人工呼吸器の設計指標を明確にすることが出来た。
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