研究概要 |
リンゴの塾度,糖度検査用ロボットフィンガの開発をめざして,人間の把持動作の実験的検討と,空気圧サーボによる把持機構の製作と制御実験,さらにリンゴの熟度糖度検査技術の検討を行った. 1.人間の把持動作の解析 人間は把持物体の運動加速度による慣性力を補うように把持力を変化させる.また,指先の滑り感覚によって,人間は対象物の把持に必要な最小の力で制御することができるなど,人間の把持力制御の機構を明らかにした. 2.空気圧サーボによる把持機構の試作・制御 空気圧サーボ弁により駆動、制御される2指の把持機構を試作し,PD制御による位置制御とI制御による把持力制御実験を行った.通常の圧力制御だけでは,把持対象物に接触した後,目標把持力を超える大きな力のオーバーシュートが生じる.これに対して,把持対象物の近くまでは位置制御を,その後,力制御に切り替えることにより,把持対象物をつぶすことなく把持力を制御できる.また,力制御では,摩擦力を外乱とみなしてそれを相殺補償するアクティブ・フォース・コントロール法が有効であり,この制御法により摩擦力の影響を軽減できることを明らかにした. 3.リンゴ熟度糖度測定技術 グレーティング固定型分光方式を採用することにより,近赤外線光器による相関図が屈折糖度計による測定とほぼ同程度となり,近赤外線を用いた非破壊検査によるリンゴ糖度計測法が実用的精度まで高められた.
|