研究分担者 |
白井 彰 日本林業技術協会, 調査研究部, 次長
八木 宏 東京工業大学, 工学部, 講師 (80201820)
泉 典洋 東京工業大学, 工学部, 助手 (10260530)
武若 聡 九州大学, 工学部, 助手 (80202167)
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研究概要 |
濁水が森林地帯流入すると,落葉層を含む森林土壌層に捕捉される.本研では,この森林土壌層が有する濁質捕捉機能を定量化する数理モデルを構築しその結果を現地に応用することが主目的である又,山地における侵食現象を支配するガリの形成家庭を表す数理モデルも構築する.以上の研究により以下の諸点が明らかとなった. 1.土壌層表面に存在し得る落葉層は,濁水が流入することにより生じる目詰まりを防止する効果があることが実験的に示された. 2.濁水が土壌層内を浸透することにより濾過される過程,すなわち土壌層の濁質捕捉率を土壌層のpF試験の結果から推定するモデルを提案した.この濁水捕捉モデルを二次元不飽和浸透流計算に組み込み土壌層に流入した濁水が清澄化される過程を数値的に再現し、実験により確かめた. 3.森林率とその流域の河川の土砂濃度の関係を現地調査し,森林率が0%では,濃度が1000-5000ppmに達っするのに対し,森林率が20%であれば100ppm程度となることが明らかとなった.森林率が100%では,10ppm以下であった. 4.土砂濃度とリン濃度の相関は非常に高く,濁質を捕捉することによって栄養塩類も除去できることが分かった. 5.一方、風による土砂移動を森林帯が防止する効果を数理モデル並びに風洞実験により定量化した. 6.現地においてモデル流域を設定し,濁水流入実験を行った.その結果,水道(みずうち)が出来ないように均等に流入させることが重要であることが分かった. 7.斜面からの地下水浸出によって,ガリが発生する機構を安定解析により求め,実験により確かめたその結果,卓越波長が存在することが明らかとなり,理論予測される波長は,実験結果と概ね一致した.
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