研究課題/領域番号 |
05555164
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 晃彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90195355)
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研究分担者 |
柴富 邦夫 日本電子, 電子工学技術本部, センター長
矢野 信三 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60005915)
箕西 靖秀 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70005958)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1994年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1993年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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キーワード | 核融合炉材料 / ヘリウム効果 / 走査電顕 / ヘリウム脆化 / バナジウム合金 / 高温強度 / トリチウムトリック / 走査電子顕微鏡 / 電顕内高温引張 / ガス分析 / 水素脆化 / 金属間化合物 / その場観察 / 照射効果 / 高温変形 |
研究概要 |
核融合炉材料においては、14MeV中性子の照射により多量のヘリウムが発生し、高温ヘリウム脆化を引き起こす。ヘリウム脆化の機構としてはヘリウムがいずれかの機構により粒界へと輸送されることにより、粒界凝集力を著しく劣化させるためと考えられているが、その詳細は明らかでない。本研究においては市販の走査電子顕微鏡を改造して、高温で引っ張り試験中に試料を観察すると共に、試料から放出されるヘリウムを同時検出することにより、辷り帯やクラックの発生とヘリウムの放出の関係を求め、ヘリウム脆化の機構を明らかにしようとするもので、このような目的にかなった装置を試作することである。 本装置の主要な機能は、(1)試料微小部分観察、(2)試料引張機能、(3)試料加熱機能、(4)ガス放出検出機能、等である。試料引張機構はステッピングモータにより駆動されるネジ方式を用いた。試料加熱は試料直接通電加熱方式を採用した。この方法は均熱性には劣るが、温度応答性がよく加熱部分の体積を小さくできる点が有利である。温度計測は試料掴み部に取り付けた熱電対を用いることにした。試料中央部の観察対象領域との温度差は、ダミ-試験片の中央に取り付けた熱電対を用いて補正した。また、ガス原子放出測定部分は4重極型質量分析計を用いた。 視野を大きく妨げないで熱電子を遮敝することなどに施行錯誤を繰り返して時間がかかったが、最終的にはほぼ所期の性能を有する装置を開発することができた。すなわち、あらかじめトリチウムトリック法によりヘリウムを添加したバナジウム合金試料を高温において変形しつつその画像をVTRに記録することができただけでなく、応力歪み曲線とヘリウム放出曲線をデータとして得ることができた。これにより、クラック開口と同時にヘリウムが放出されることなどの重要な事実が明らかになった。
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