研究課題/領域番号 |
05555176
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 宮城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
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研究分担者 |
渡辺 龍三 東北大学, 材料加工学科, 教授 (20005341)
橋本 等 東北工業技術研究所, 主任研究員 (90156290)
池田 千里 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (60109832)
田口 収 (田口 收) 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (30042253)
小野 尭之 (小野 堯之) 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30005342)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 傾斜機能材料 / 複合粒子 / 複合材料 / 耐熱材料 |
研究概要 |
試料の上下両端の組成を内部で次第に組成比例勾配させた、粉末系の傾斜機能材料の新しい製造プロセスを提案し、具体的に熱応力割れの発生しないステンレスノジルコニア系傾斜機能材料を開発した。 新しく提案する製法は、粉体工学的フィルタ現象と複合粒子積層法を併用させたものである。 ステンレス粒子にジルコニアを配合比10%ずつ10〜90%まで9段階の複合粒子を用意し、これを0〜100%まで11階層の充てん層とする。これに振動を加えて各層間の境界を不明瞭にする。これをホットプレス焼結ならびに常圧焼結を行って、その断面組織、組成分布、熱落差試験などを行った。 その結果、ボールミルによって混合した粉末を10層充てんしたもの、およびそれに振動付加したものは、いずれも焼結までの処理工程中に試料の剥離、またはクラックの発生がみられた。これに対し、複合粒子の層状充てん体に振動付加したものは、焼結体に全くクラックの発生がみられず、しかもその後の温度落差試験において加熱・冷却を繰り返し行ったが3分経過までは全く異常がみられなかった。その後8分経過までの間にジルコニア表面の局部的剥離が生じる程度で、極めて良好な熱応力緩和が確認できた。組織的には11層あった境界が5層しか確認できず、また走査X線による分析でもステンレスリッチ層に多少階層が認められる程度で理想に近い組成比例勾配が実現できており、振動付加によるフィルタ現象が効果的に作用していることが確認できた。ただし、振幅が大きくなると、いわゆるタッピング状態となり粉体層内に対流が生じ好ましくないこともわかった。一方、被覆型複合粒子において、被覆層内に核粒子と同物質を微細分散させる複合粒子技術も確立されつつあり、これを応用することにより一層の熱応力緩和が期待できる可能性がある。
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