研究課題/領域番号 |
05555201
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斎藤 正三郎 (斉藤 正三郎) 東北大学, 工学部, 教授 (00005224)
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研究分担者 |
片桐 英一 チッソ株式会社, 主席研究員
猪股 宏 東北大学, 工学部, 助教授 (10168479)
今野 幹男 東北大学, 工学部, 助教授 (40125547)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
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キーワード | ハイドロゲル / 体積相転移 / 熱応答性 / 疎水性相互作用 / スイッチ機能性 / 機能性材料 / イオン性ゲル / 状態方程式 / 錯体 / 浸透圧 / 弾性力 |
研究概要 |
本研究では、ハイドロゲルのスイッチ機能性材料への応用を目的として、ゲルの膨潤挙動(転移点、膨潤度)をいかに制御/設計、予測するかについて検討した。 非イオン性のゲルについては、その体積相転移現象に疎水性相互作用が支配的な役割を果たしていること、ゲル構成高分子の1次構造により転移温度が、架橋度あるいは界面活性剤添加(あるいは荷電基の共重合)により膨潤度ならびに転移温度がある程度制御しうるとが確認された。電解質ゲルについても、同様に疎水性相互作用が相転移に深く関連していることが示唆されたが、荷電基と対イオンとの解離平衡の寄与が大きいことが明確となった。なお、錯体を形成するような多価金属イオンが系内に存在する場合には、取り扱いに留意することを明確にし、有機溶媒中で体積相転移を発現するオルガノゲルの分子設計論を確立した。 次に、これらの知見の理論的な解析/推算に対しては、Flory-Hugginsような平均場近似に基づく式の適用性の限界を指摘し、これに水素結合や疎水性相互作用を組み入れることで実験値の定性的な傾向が表現できることを示した。電解質ゲルについては、基本的には非イオン性ゲルの推算式に、荷電基と対イオン間の解離平衡を考慮することで、実験値を定性的に表現することができた。すなわち、現時点では定量的な予測には至らなかったが、最小限のデータがあれば、それを基準として目的に応じた体積相転移あるいは膨潤平衡挙動を示すゲルの分子設計がある程度可能な状況に到達できた。 なお、本研究では速度論についてはあまり検討できなかったが、ゲルのスイッチ機能性材料の実現には不可欠で、今後の重要な課題である。
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