研究課題/領域番号 |
05555208
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
幸田 清一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011107)
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研究分担者 |
岡田 文雄 ジャパンエナジー(株), 新材料研究所, 研究員
大島 義人 東京大学, 工学部, 講師 (70213709)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | レーザー誘起反応 / 連鎖反応制御 / シクロヘキサン / シクロヘキサノール / 部分酸化反応 / エキシマーレーザー / 光反応工学 |
研究概要 |
レーザー光を工業合成の分野におい活用することにより、通常光源では難しい特定化合物を高収率、高選択的に得ることが可能と考えられる。しかし、コストの高いレーザー光子を如何に有効に利用するかが非常に重要である。本研究においてはレーザー誘起の連鎖反応を検討対象とした。対象反応としては、1,1-ジクロロエタンの塩素化、脱塩化水素反応による塩化ビニリデン合成反応系と、シクロヘキサノンの部分酸化反応系である。 前者の反応系においては、1,1-ジクロロエタンを塩素共存下でXeFエキシマーレーザー光で照射し、反応を開始させた。塩素の光解離によって生成する塩素原子が連鎖担体となり、高い量子収率で連鎖反応が進行し、1,1,1-トリクロロエタンが高選択率で生成することがわかった。さらに第2ステップで1,1,1-トリクロロエタンを少量の塩素共存下で脱塩化水素すると、この反応もかなりの量子収率で連鎖反応として進行し塩化ビニリデンが得られた。従って両反応を組み合わせることにより塩化ビニリデンを合成できるが、この場合、レーザー光の直進性を利用すると、反応システムを設計しやすい利点があることも示された。 シクロヘキサンの部分酸化反応に関しては以下のような知見が得られた。すなわち、酸素を溶解された液相のシクロヘキサン中では、KrFレーザー光の照射によって酸素が光吸収を起こし、レーザー誘起酸化反応が進行してシクロヘキサノールとシクロヘキサノンが得られた。ただし、この反応系では溶媒分子で取り囲まれたケージの中で起こるラジカル-ラジカル反応が支配的であり、量子収率を上げることは困難であった。 一般に、反応系、反応の相の選び方により、量子収率を実用的なレベルまで高めることが可能な場合があり、個々の反応について検討することにより、多数の実用可能性のある系を見いだせるものと結論した。
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