研究課題/領域番号 |
05555220
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
|
研究分担者 |
水谷 悟 キリンビール(株), 研究員
魚住 信之 名古屋大学, 工学部, 助手 (40223515)
本多 裕之 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70209328)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1994年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1993年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | 動物細胞培養 / 溶存酸素濃度 / 栄養源濃度 / 培養制御 / エリスロポエチン / L-929細胞 / 固定化担体 / vero細胞 / SV40 / 温度感受性 / 代謝制御 |
研究概要 |
申請者はほぼ当初の計画通りに研究を行い、以下の実績を得た。 1.一段階の簡便な操作で長期培養可能な強度を持つ担体として光架橋性樹脂BIXを開発した。三種類の固定化方法により浮遊性と付着性の動物細胞両方を固定化することができ、担体は強度の面で優れ、細胞毒性がなく、細胞増殖も良好で、特にゼラチン粒子を添加することにより作成されたポーラスBIXでは栄養分の供給と酸素通気が顕著に改善されることがわかった。 2.多孔性セルロース担体に正電荷を持たせることによって、壁付着性細胞だけでなく、浮遊性細胞の固定化が可能となった。L-929細胞を多孔性セルロース担体に固定化してエリスロポエチン(EPO)の連続生産を行った。インナーループ型バイオリアクターが良い結果を与え、50日以上にわたって高いEPOの連続生産が可能であった。 3.溶存酸素は動物細胞培養における重要な制御因子である。我々は溶存酸素を一定に制御できるシステムを用い、DOを0.5から28mg/Lの範囲で血清入培地と無血清培地両方にて調べたところ、最適な細胞増殖は今まで報告してきた通りの5mg/Lであったが、EPOやティシュープラスミノーゲンアクチベータ-(tPA)のような生理活性物質の生産にとってはむしろDOが10mg/L以上の高いDOレベルの方が有利であることがわかった。さらに細胞増殖に適した溶存酸素濃度と生理活性物質の生産に適した溶存酸素濃度に分けて培養する効果についても検討し、効果があることがわかった。 4.EPOなどの生理活性物質を生産するための固定化動物細胞による高密度培養を行うにあたって、溶存酸素濃度を最適値に保つと共に、栄養源であるグルコースやアミノ酸の枯渇を防ぎ、阻害的な代謝産物である乳酸とアンモニア濃度を高めないように栄養源濃度の制御を行うことが重要となる。そこで我々が開発した多項目同時測定システムと溶存酸素制御システムとを用いて、栄養源濃度の制御の効果を調べた。その結果、ハイブリドーマ細胞の場合にはグルコースまたはグルタミン濃度を低く保つとモノクローナル抗体の生産性が向上することがわかった。
|