研究課題/領域番号 |
05555244
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竜田 邦明 早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (40051627)
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研究分担者 |
吉田 良之助 (株)片山製薬所, 研究所長
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1993年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 医薬品中間体 / セフェム系抗生物質 / ラタニアフェノール / 骨格転位 / アミノチアジアゾール / アシル転位 / アミノイソキサゾール / 工業的製法 |
研究概要 |
医薬品およびその鍵中間体の合成研究は、研究室レベルでは非常に盛んに行われ、顕著な成果が挙げられている。しかし、その工業生産への応用は必ずしも容易ではなく、応用可能な汎用性の高い製法の開発が待望されている。本研究は、特異な転位反応を開発し、それを有効に用いるとにより、重要な医薬品の鍵中間体の工業的製法を確立するものである。 まず、第一に、重要な医薬品の付加価値の高い中間体であるアミノチアジアゾール酢酸の大量合成法を確立するために、各工程の最適条件を検討した。また、転位反応を起こさせる鍵物質である3-アミノイソキサゾールの種々の誘導体の効率の良い一般的製法の確立を試みた。その結果、原料のアルキルだるいはフェニルイソシアナ-ト類を変えることにより、3-アミノイソキサゾールとの反応生成物のアミノ基の保護基を望み通りにすることができた。つぎに、鍵反応である転位反応の条件を種々検討し、目的のアミノチアジアゾール酢酸を効率よく合成するための最適化を行った。さらに、第四世代セフェム系抗生物質の側鎖部分の合成に必要な酢酸部分の酸化が、I_2-DMSO系により容易に進行することを見いだした。オキシムのアルキル化をBaO-Ba(OH)_2・8H_2Oの存在下に行うことにより、目的のシン異性体のみが生成することを大量実験でも確認した。結果として、セフェム系抗生物質の側鎖部分であるアミノチアゾール酢酸のオキシム体の大量合成法を確立し、現在、工業化を検討中である。 第二に、歯周病菌などの嫌気性菌に有効なラタニアフェノール類の製法を確立するために、まず、置換基をもたない2-フェニルベンゾフランの合成を中心にして、転位反応の最適条件を検討した。その結果、2-メチルフェノールのベンゾイル誘導体において、O-アシルのC-アシルへの転位反応の条件を確立した。これは、複雑なフェニルベンゾフラン類の合成に応用できる。
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