研究課題/領域番号 |
05555250
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
佐藤 壽彌 (佐藤 寿弥) 東京農工大学, 工学部, 教授 (90092486)
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研究分担者 |
田中 政尚 日本バイリーン(株), 東京研究所, 主任研究員
東 福次 東京農工大学, 工学部, 教授 (30101330)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ポリビニルアルコール(PVA) / 塩化カルシウム錯体 / 吸湿能 / 塩化鉄(III)錯体 / アンモニア吸着 / 固体NMR / 脱臭能 / 水素結合 / 塩化鉄(〓)錯体 |
研究概要 |
ポリビニルアルコール(PVA)と塩化カルシウムの錯体は塩化カルシウム単独よりも高い吸湿速度を示した。吸着した水分は、低湿度下で容易に脱離し、吸湿、放湿を繰り返し行ってもその吸湿特性の低下は認められず、吸脱着は可逆的に起こることが明らかとなった。ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などの他の親水性ポリマーや塩化コバルト、塩化マグネシウムなどの他の塩との錯体はPVA-塩化カルシウムほどの吸湿性を示さなかった。PVAと塩化鉄(III)との錯体を不織布に塗布したものは、塩化第二鉄単独よりアンモニアを速く、多量に吸収することが分かった。このアンモニア吸着特性は、従来、脱臭剤として用いられている活性炭や塩化鉄(II)-アスコルビン酸錯体より優れている。また、この錯体はメチルアミンや硫化水素などの他の悪臭を有する気体に対しても優れた吸着能を有し、脱臭剤として用いられることが明らかとなった。PVAとの錯体では、3価クロム>3価鉄>2価ニッケル>2価鉄の順に脱臭能があることが分かった。毒性や経済性の観点から、PVA-塩化鉄(III)錯体が最も脱臭剤として適していることが明らかとなった。これらの機能と構造の関連を検討するためPVA金属錯体の固体NMRをCPMAS法で測定したところ、カルシウム及びマグネシウム錯体の場合、シグナルの強度の減少及びシグナルの幅広化が観察できた。これらの金属塩がポリマーの運動性に影響を与えたものと考えられる。また、PVAのメチン炭素のシグナルは、水素結合の形式に従い3本に分裂するが、これらの金属錯体では、分子内水素結合に由来するシグナルの減少が見られ、PVAの凝集状態の変化が観察できた。
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