研究課題/領域番号 |
05555255
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
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研究分担者 |
宮本 操 日産化学工業株式会社, 研究開発本部
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 酸素富化膜 / ポリシリルブタジエン / 透過係数 / 溶解度係数 / 拡散係数 / 自由体積 / 収着 / 酸素透過性 / ミクロボイド |
研究概要 |
本研究では、酸素富化膜より酸素の透過係数と選択分離性をともに高めるために、ケイ素と二重結合からなるシリル基を有するポリブタジエン-(CH_2C(SiX_3)=CHCH_2)-(X=メトキシ、イソプロキシ、n-プロポキシ、t-ブトキシ、n-ブトキシ基)を合成し、80〜100℃において触媒としての水蒸気の存在により脱アルコール反応をさせ、アルコキシシリル基を部分的に架橋反応させ、目的とする高分子膜を得た。架橋の結果、試料のガラス転移温度は上昇し、特に長鎖あるいはバルキーなアルコキシ基の場合には、室温近辺において十分使用可能な高分子膜が得られた。CO_2、O_2、CH_4、N_2ガスの収着特性を検討した。膜がゴム状態であることを反映して、4種の気体ともHenry収着機構で説明された。各試料の溶解度係数の対数は気体のLennard-Jonesエネルギーパラメータに比例する一般的事実に符合した。5種の膜の中でポリイソプポキシシリルブタジエンを架橋した膜の透過係数が最も高く、2.5×10^<-8>cm^3STPcm/cm^2seccmHgとなり、ポリジメチルシロキサンと同等の高酸素透過性を有し、酸素透過性膜として有効である。種々の膜の収着等温線から得られる溶解度係数は概略同じであり、高酸素透過性は主として拡散係数の大きな寄与によることが明らかになった。従って脱アルコールの結果、ポリブタジエン分子鎖間に生じる空隙を-SiOSi-の架橋によって、固定化させ酸素選択透過性に有効な自由体積を有する膜設計の可能性が示唆された。シリル基を有するポリブタジエンの構成成分であるケイ素、シリル基及び二重結合ならびに架橋度により形成された自由体積の酸素富化機構に及ぼす相乗効果を引き出させ、さらに良好なシリル基を有する架橋ポリブタジエン酸素富化膜が期待される。
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