研究分担者 |
渡辺 正夫 東北大学, 農学部, 助手 (90240522)
鳥山 欽哉 東北大学, 農学部, 助教授 (20183882)
中西 テツ 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80031227)
崎山 文夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (40029947)
磯貝 彰 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (20011992)
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配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
1995年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1993年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
胞子体型の自家不和合性を示すアブラナ科植物および配偶体型に分類されるバラ科植物に関する自家不和合性関連遺伝子を単離し、これらの遺伝子を同じ植物種あるいは他の植物種に導入して、自家不和合性の制御の可能性を検討することが本研究の狙いである。日向・磯貝・渡辺・鳥山らはアブラナ科植物を材料として、既報の自家不和合性関連遺伝子の同義・非同義塩基置換の程度から、進化的にはSRAがまず分化し、それに続いて、SRB, SLG/SRKが分化したことを示唆した。さらに、SLG8, SLG9, SLG12, SRK8, SRK9, SRK12など、関連遺伝子としてSRA1, SRA2, SRA3, SRA4、およびSRBなどのcDNAを単離し,その塩基配列を決定し,S遺伝子間の相同性と特異性を明らかにした。そして、SLGのセンスおよびアンチセンス遺伝子を導入した形質転換植物を作製し、アンチセンスSLGを導入すると自家不和合性が失われること、センスSLGを導入するとコサプレッションが起きることを示した。また、タバコにSLG, SRKを導入し、SRKの発現について検討した。崎山はニホンナシの自家不和合性種「二十世紀」(S2S4)花柱より2種類のS-RNase (S2-RNase, S4-RNase)と自家不和合性に関与しないnon-S-RNaseをコードするcDNAをクローニングした。さらに、二十世紀の変異種で自家和合性の「おさ二十世紀」について検討し、この和合性はS4-RNaseの欠損によることを明らかにした。中西はニホンナシへの遺伝子導入法を検討し、Agrobacteriumの感染能を確認し、茎頂培養における不定芽の誘導と種子外植体からのシュートの再生にThidiazuronが効果的であることを明らかにした。しかし、残念ながらこの研究は阪神の災害で中断している。一方、ニホンナシS2-, S4-RNaseの塩基配列をペチュニアのS3プロモーターにつなぎ、トランスジェニック植物を得て、現在その遺伝子発現を検討中である。
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