研究課題/領域番号 |
05556032
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山内 晧平 北海道大学, 水産学部, 教授 (10109514)
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研究分担者 |
足立 伸次 北海道大学, 水産学部, 講師 (40231930)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | チョウザメ / 生殖腺 / 性成熟 / ステロイドホルモン / 排卵 / 排精 / ベステル / LHRH-a / ラジオイムノアッセイ法 |
研究概要 |
本研究では、オオチョウザメ(Huso huso)の雌とコチョウザメ(Acipenser ruthenus)の雄の雑種であるベステルを材料として、生殖腺の発達過程の内分泌支配機構を調べるため、まず、卵巣及び精巣の組織学的変化と卵形成及び精子形成に伴う血中ホルモン量の変動を測定した。測定したホルモンは、雌では、卵黄形成に関与するエストラジオール-17β(E2)と排卵に関与する17α,20β-ジヒドロキシ-4-プレグネン-3-オン(DHP)、雄では、精子形成に関与する11-ケトテストステロン(11KT)と排精に関与するDHPである。また、稚魚の発生に必要なビテロゲニンを精製し、その抗体を作製して卵形成に伴うその血中量の変化を調べた。その結果、寒冷地(札幌)での飼育環境下では、雌では、成熟周期が少なくとも3年であると推定された。血中E2量及びビテロゲニン量は卵巣の発達とよく相関して変化した。雄では、成熟周期は1年であることが明らかとなった。血中11KT量は精巣の発達とよく相関して変化した。しかし、雌雄ともにDHP量は年間を通して低く、排卵も排精もしなかった。これらの解析結果から、ベステルの排卵及び排精にはGnRH等のホルモン処理が必要であり、処理の適期は12-4月にかけてであると考えられた。次に、卵巣及び精巣のステロイドホルモン産生能の変化を生体外培養実験で調べた。その結果、雌でのE2及び雄での11KT産生能は血中量の変化とよく相関した。しかし、雌雄ともに、DHP産生能は高く、その血中量が低値であることと異なっていた。この結果から、排卵及び排精の欠如はDHP産生能が低いからではなく、その産生を誘導する生殖腺刺激ホルモン(GTH)の大量放出が起こらないことによると考えられた。そこで、排卵及び排精の適期に、LHRH-a投与により、排卵及び排精を誘導するとともに、血中DHP量の経時変化を調べた。その結果、排卵及び排精魚ではLHRH-a投与後24時間以内にDHPの急増がみられ、上述の推定を裏付けた。さらに、雌では、ホルモン処理の適期の12-4月の間、卵母細胞がDHPに反応して最終成熟できる能力(DHP感受性)がどう変化するのかも調べた。その結果、DHP感受性は秋から冬にかけて上昇し、春にかけて低下すること、及び、その感受性は少なくとも1ケ月は維持されること等が明らかとなった。
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