研究課題/領域番号 |
05556034
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 祐三郎 京都大学, 農学部, 教授 (20026488)
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研究分担者 |
石野 良純 宝酒造(株), 中央研究所, 主任研究員
大和田 紘一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30013585)
左子 芳彦 京都大学, 農学部, 講師 (60153970)
内田 有恆 京都大学, 農学部, 助教授 (50027190)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 超好熱細菌 / 耐熱酵素 / 海底熱水口 / 海洋細菌 / 古細菌 / プロテアーゼ / DNAポリメラーゼ / 深海 |
研究概要 |
200℃以上の海底熱水口が発見されて以来、100℃以上で増殖可能な新奇細菌群(超好熱細菌)が分離され新しい遺伝子資源として脚光を浴びているが、高温・高圧といった培養条件の困難さから利用には至っていない。本試験研究では、産業的に利用価値が高いと考えられる80〜100℃で増殖可能な海洋性超好熱細菌を分離培養するシステムを確立するとともに、医学、遺伝子工学や食品工業で切望されている超耐熱酵素の検索、精製およびその遺伝子クローニングを行い利用しようとするものである。研究成果の概要は下記の通りである。 (1)耐圧耐熱のガラス瓶と特殊ブチルゴム栓を用いて、気相をガス置換(H_280%:CO_220%)し100℃まで培養可能な嫌気培養システムを確立した。また耐熱性グリースや種々の断熱材を使用して、95℃まで振盪可能な好気性の振盪回転培養システムを開発した。本試作機を用いることにより、好気および嫌気性超好熱細菌を効率よく分離・培養することが可能となった。 (2)代表的な分離株としては、長崎県橘湾や鹿児島県小宝島の海底熱水口より嫌気性超好熱細菌PyrococcusTS100、メタン細菌MethanococcusTS300等があり、好気性としては赤い色素を有する新属のMarinothermus obamaeOKD7や全く新しいタイプの超好熱古細菌Aeropyrus pernixK1等が見い出された。至適増殖温度は、TS100が103℃、TS300が88℃、OKD7が80℃、K1は90〜95℃であった。 16rDNAの塩基配列より、OKD7は原始的な真正細菌で、K1は原始的な古細菌であった。またK1は本遺伝子中に699bpからなるイントロンを有していた。 心不全の診断薬として有望視されている炭酸固定酵素phosphoenolpyruvate carboxylaseをOKD7から精製した結果、本酵素はアロステリック酵素で種々のエフェクターを有していたが、メタン細菌のそれはエフェクターを有しないため利用価値が極めて高いと思われる。またK1が生産する菌体外プロテアーゼは、精製の結果未報告の金属プロテアーゼで反応の至適温度は110℃で、Ca^<2+>存在下で著しく安定化され利用価値が高いと考えられた。TS100株のDNAポリメラーゼは極めて耐熱性が高く、遺伝子クローニングを行った結果PCR反応に有効であることが明らかになった。
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