研究課題/領域番号 |
05556036
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
天野 秀臣 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40024830)
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研究分担者 |
荒島 幸一 三重県水産技術センター, 伊勢湾分場, 技師
野田 宏行 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024825)
前川 行幸 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90115733)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | アマノリ / 赤腐れ病 / モノクローナル抗体 / ノリ / Pythium / 遊走子 / 品質 / ハイブリドーマ |
研究概要 |
1.抗体の大量生産: 赤腐れ病病原菌を抗原としてマウスに免疫した。ハイブリドーマをRPMI 1640培地で培養し、大量のモノクローナル抗体を得た。本抗体は、抗体価が高く、培養上清を32倍に希釈しても使用できた。愛知県産と佐賀県産赤腐れ菌を認識したが、他の陸上植物由来と海産Pythium菌とは交差反応を示さなかった。量的にも一年を通じて海水中の遊走子を検出するのに充分な量を確保し、凍結貯蔵して必要時に解凍して用いた。 2.海中での遊走子の出現状態の経時的測定: 津地区の支柱柵漁場で、ノリ養殖シ-ズンを通じて週1〜2回海水3リットルを採集した。9月から12月下旬まで遊走子は検出されなかったが、1月上旬に遊走子が初めて検出され、2月初旬にピークが認められ、その後急速に遊走子は減少した。最も遊走子の多い時には1リットル当り1184個検出された。 3.試験網による早期対策の実施: 海水中に遊走子の検出された1月上旬には、まだノリ葉体上に感染が認められず、この時期のノリを早期対策ノリとして摘採した。一方、対照ノリとしてはその後赤腐れ病の症状がでたものを用いた。両者から乾ノリを製造し、試料とした。 4.ノリの品質調査: 試験網による早期対策を施したノリは対照ノリに対して等級で1等級高く、入札価格で約16%高値をつけた。呈味成分の分析では呈味アミノ酸であるグルタミン酸、グリシン、アラニン含量が多く、総遊離アミノ酸含量は対照網の約1.7倍であった。 以上の結果から、モクローナル抗体を用いて赤腐れ病遊走子を検出し、ノリ養殖で早期対応策をとることが可能となった。
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