研究分担者 |
タナンゴナン J (タナンゴナン J.) 近畿大学, 農学部, 助手 (20247969)
大上 博基 愛媛大学, 農学部, 助手 (80213627)
渡辺 紹裕 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50175105)
大槻 恭一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (80183763)
荻野 芳彦 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60032992)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
中央アジアのアラール海流域では,1960年代から数百万haに及ぶ農地開発とそれに伴う大規模な潅漑水利開発が行われ,その結果アラール海は従来の水面積の3分の1に縮小した。開墾された農地の一部は塩類化し,河川デルタの湿地帯は乾燥によるツガイ大森林の削減,塩を含む砂嵐による住民の健康被害の増大が問題になって来た。 過去3ケ年におよぶ研究により,アムダリア川下流デルタ地域のヌクス,シルダリア川下流域のクジルオルダ地域のコルホ-ズやソフホ-ズ群の用水管理・栽培管理・潅漑面積・蒸発散量・実績取水量などの水利使用の計画と実際を分析・考察した。その結果、この地域の潅漑効率について,現地の情報を活用して,大忰を推定確認することができた。潅漑効率の向上には、水路構造物の設備・改修といったハード面の対応のみならず、水管理組織、管理体制と言ったソフト面の対応も重要である。また,水田-畑ロ-テーション潅漑の水管理については,水田稲作を中心とする営濃・潅漑体系の水管理上の意味,及び関連する塩類化・湛水化などの問題との関係の,基本的な理念・構造を把握することができた。この場合、作付け体系を、旧ソ連の綿花、水稲を中心としたものから、需要に応じた体系に多様化する必要があり、作物毎の水需要、除塩用水量、収益性を考慮した産生体制の確立が重要となる。さらに、水利用における経済性、追加便益の観点から水の有効利用を図る事が重要である。 アラール海流域の環境問題に関しては、地域においてアラール海沿岸デルタ地域に人工の湛水域を設ける試みが開始されており、こうした地域に安定的な水の供給を行い環境改善を図るためにも、潅漑地域における適正な水管理に基づく水の一層の有効利用を行う事が重要である。
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