研究課題/領域番号 |
05557004
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
杉 晴夫 帝京大学, 医学部, 教授 (20082076)
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研究分担者 |
岩本 裕之 帝京大学, 医学部, 講師 (60176568)
山田 武範 東京理科大学, 理学部, 教授 (50027330)
小林 孝和 帝京大学, 医学部, 講師 (00112756)
茶圓 茂 帝京大学, 医学部, 講師 (60142452)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | アクトミオシン / 筋収縮 / エネルギー変換効率 |
研究概要 |
平成5年から7年度にわたる本研究の主な研究成果は以下のように要約される。 1.アクチン・ミオシン間の単位滑り距離の測定:単一グリセリン筋線維をcaged ATPのレーザー光分解で収縮させる手法により、caged ATPから放出されるATP量と筋フィラメント間の滑り距離を研究した結果、ミオシン1分子あたり1個のATPの放出により筋フィラメントは単位の滑りを起こし、この値は約10nm/half sarcomereであった(Yamada et al.J.Physiol.466:229-243,1993)。またアクチンとミオシンからなるin vitro assay系にATPを電気泳動的に与える方法によっても同じ値が得られた(Oiwa et al.J.Biochem.114:28-32,1993)。 2.アクチン・ミオシン間の滑りのエネルギー変換効率の測定:単一グリセリン筋線維中にミオシン頭部と同数(同濃度)のATPをあらかじめ浸透させておき、caged Ca^<2+>のレーザー光分解により放出されるCa^<2+>による収縮時に筋線維のなす仕事量を測定した。一方筋線維が消費したATP量は収縮中任意の時点で筋線維の張力をゼロレベルに低下させた後におこる等尺性収縮張力の上昇値から測定した。結果の解析の結果、筋線維のATP消費量は筋フィラメントの滑り距離にほぼ比例して増大するのに対して、筋線維のなす仕事量は中程度の荷重値で極大となる“つりがね状"であることがわかった。上記の関係は収縮のごく初期でも成立することから、個々のミオシン頭部のエネルギー変換効率が荷重に依存して大幅に変化することがわかった。 3.シャジクモミオシンとアクチン間の荷重速度曲線の測定:シャジクモの原形質流動の滑り速度は筋線維の最大滑り速度より約10倍大である。シャジクモミオシンとアクチン間の荷重速度曲線を求めた結果、曲線の形状からこのアクトミオシン系のエネルギー変換効率は骨格筋のアクトミオシン系に比べて著しく低いことが示唆された。
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