研究課題/領域番号 |
05557011
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
谷山 絋太郎 (谷山 紘太郎) 長崎大学, 医学部, 教授 (70030898)
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研究分担者 |
山下 樹三裕 長崎大学, 医学部, 講師 (50192399)
片岡 泰文 九州大学, 医学部, 助教授 (70136513)
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 遺伝子移入再構成系 / アフリカツメガエル卵母細胞 / 神経終末機能の発現 / GABA遊離 / ドパミン遊離 / 開口放出 / プロテインキナーゼC / シナプトフィジン / 神経終末機能の発見 / ドパミン取込み |
研究概要 |
ラット脳から抽出したメッセンジャーRNA(mRNA)をアフリカツメガエル卵母細胞に移入し、その卵母細胞に神経終末と同様の機能を発現させることを目的とした。 I.ドパミン作動性神経終末機能の発現 (1)ドパミン取込み機能の発現:mRNA移入細胞では浸漬液中のドパミン取込み量が濃度依存性に増加した。 ドパミン遊離機能の発現:ドパミンを取り込ませたmRNA移入卵母細胞に高K(50mM)液を適用することによりドパミン遊離を惹起した。この高K誘発ドパミン遊離は外液のCa^<2+>に依存し、開口放出機能の発現を呈したものと考えられる。しかし、取り込み機能が発現していた卵母細胞で必ずしも高K誘発ドパミン遊離が起こるとは限らなかった。 II.γ-アミノ酪酸(GABA)作動性神経終末機能の発現 (1)γ-アミノ酪酸(GABA)取り込み機能の発現:mRNA移入卵母細胞をGABAを含む溶液に浸漬することにより、この卵母細胞はGABAを特異的に取り込んだ。一方、mRNA非移入卵母細胞や、蒸留水を移入した卵母細胞ではGABAの取り込みは見られなかった。 (2)GABA遊離機能の発現:GaイオノフォアであるA23187をGABAを取込んだmRNA移入卵母細胞に適用すると、GABA遊離が増加し、外液中のCa^<2+>を除去すると増加は見られなくなった。 (3)GABA遊離におけるプロテインキナーゼC(PKC)の関与:A23187誘発GABA遊離はPKCの活性化物質であるホルボールエステルで更に増加したことから、mRNA移入卵母細胞には、神経終末と同様にPKCが発現したものと考えられる。 (4)GABA遊離における膜融合蛋白質であるシナプトフィジン(SP)の関与:SPの抗体を用いたイムノブロット法により、mRNA移入卵母細胞にSPが発現していることが確認された。A23187誘発GABA遊離は、mRNA抽入と同時にSPの抗体を抽入した卵母細胞では、mRNAのみを抽入した卵母細胞の約40%に減少した。従って、膜融合蛋白質であるSPがGABA遊離に関与しているものと考えられた。
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