研究課題/領域番号 |
05557020
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金ケ崎 士朗 (金ヶ崎 士朗) 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
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研究分担者 |
小林 園子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (00013764)
布井 博幸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50218260)
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
栗林 太 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60251443)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 慢性肉芽腫症 / CGD / スーパーオキシド / 好中球 / Bリンパ球 / 遺伝子 / 白血球 / ベクター / 慢性肉芽腫症患者 / スーパーオキシドアニオン / シトクロム / インベ-ジン / 合成ペプチド / ベェクター / リポソーム / b型のシトクロム / インベージン |
研究概要 |
慢性肉芽腫症(CGD)は好中球のスーパーオキシドの産生欠損のため、活性酸素による殺菌ができず、出生直後から重篤な感染症を繰り返す先天性疾患である。この産生には、大小鎖からなる形質膜のb型シトクロムと細胞質のp47・phox、p67・phox蛋白質が必須で、CGDではこれらの蛋白質のいずれかに欠失または機能異常がある。本研究の究極の目的は慢性肉芽腫症の根治的治療法を開発することにある。抗体を用いた方法でCGD患者90名の病型分類を行い、p47・phox 欠損者9名、p67・phox 欠損者7名を見いだし、患者Bリンパ球を不死化して欠損株を得ると共に遺伝子の欠損部位を解析した。そしてp47・phox欠損型は、総て同一のGT欠失変異であること、p67・phox欠損型ではAG挿入変異によるフレームシフトと、2つのexonを欠くと考えられるスプライス異常などのあること明らかにした。対応する正常蛋白質の導入効率を調べるため細胞内濃度を測定したところ、p47・phoxおよびp67・phoxは好中球あたりそれぞれ、2.6x106、8.6x105分子、Bリンパ球では、4.7x105、3.3x104分子であることが明らかになった。その結果蛋白質の導入ではその導入効率や、治療効果について限界があることが明らかになった。そこで遺伝子導入についての面から検討し、p67・phox遺伝子を組み込んだベクターの開発に成功した。このベクターは患者由来Bリンパ球株で発現し、スーパーオキシドアニオン産生系を再構築できた。CGDの根治的治療としては結局遺伝子治療が一番よいと考えられる。今後、遺伝子導入細胞を生体内で選択する可能性を考えて、多剤耐性遺伝子を同時に発現出来るように現在癌研杉本博士らと共同で開発中のベクターの有用性を検討していきたい。
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