研究課題/領域番号 |
05557024
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和田 攻 東京大学, 医学部(医), 教授 (60009933)
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研究分担者 |
柳沢 裕之 東京大学, 医学部(医), 助手 (10200536)
栗原 伸公 東京大学, 医学部(医), 助手 (10234569)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1993年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 発癌 / ヘテロサイクリックアミン / IQ / 抗体 |
研究概要 |
近年、多数の発癌物質の発見や新しい食品添加物・健康食品の開発が相次いでいる。また、発癌率の上昇や食品添加物・健康食品の人体への有害性(副作用)も報告され、大きな社会問題の一つとなっている。発癌や食品添加物・健康食品の人体への有害作用を予防あるいは予知するためには、発癌のメカニズム・代謝経路・組織への親和性・毒性を明らかにすると共に、人体への暴露レベルも評価する必要がある。しかし、発癌物質・食品添加物・健康食品などは、一般に低分子量物質のものが多く、通常、抗体を作製することは極めて困難である。この研究では、食品中の発癌物質IQ(2-amino-3-methylimidazo[4,5-f]quinoline)(M.W.198)を例に取り、免疫回数・免疫原の一部として使用するキャリアプロテインの免疫原性の強さが低分子量物質に対する抗体作製にどの程度寄与するのか検討し、低分子量物質に対する抗体を作製するための必要条件を見い出すことを目的とした。6種類の免疫原((1)IQ-liposome(2)IQ-polyglutamic acid(3)IQ-polylysine(4)IQ-bovine serum albumin(5)IQ-keyhole limpet albumin(6)IQ-lysine-ascaris protein:(1)→(6)の順に免疫原性が強い)を作製しIQ量として約20μgに相当する各免疫原をBALB/Cマウスにフロイントのアジュバンドとともに、2週間おきに3回、5回、8回免疫した。そして、限界希釈法によりモノクロナール抗体を産生する単一クローンをスクリーニングした。IQに対するモノクロナール抗体は、免疫原IQ-lysine-ascaris proteinで8回免疫した条件のみで得られ、他の免疫原および免疫回数では得られなかった。以上の事実により、抗体作製が困難な低分子量物質に対する抗体を得るためには、免疫原性の強いキャリアプロテインの使用と免疫回数を増やすことが重要であると思われる。
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