研究課題/領域番号 |
05557049
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 信博 東京大学, 医学部(病), 助教授 (40200729)
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研究分担者 |
嶋田 昌子 東京大学, 医学部(病), 医員
原田 賢治 東京大学, 医学部(病), 医員
後藤田 貴也 東京大学, 医学部(病), 医員
石橋 俊 東京大学, 医学部(病), 助手 (90212919)
島野 仁 東京大学, 医学部(病), 助手 (20251241)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 発生工学 / LPL / アポE / 動脈硬化 / LDLレセプター / 遺伝子治療 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / LDL受容体 / リポタンパクリパーゼ / 高脂血症 / ジーンターゲティング / 動脈硬化症 |
研究概要 |
粥状動脈硬化症の形成には大別して二つの現象が関与している。一つは血管壁におけるコレステロールエステルの蓄積であり、一つは血管壁における細胞成分の病的反応である。どちらが欠けても粥状動脈硬化症は成立しがたい。特に脂質代謝異常は最大の危険因子と考えられており、脂質の蓄積は、動脈壁における細胞群の泡沫化を惹起して、動脈硬化初期病変を形成する。従って、脂質代謝や、血管壁細胞機能に対する研究及び遺伝子治療が今後の動脈硬化治療の将来を切り開くものと確信する。私共は既にアポEやリポタンクリパーゼを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製して、その脂質代謝や動脈硬化症との関係を明にした。さらにM-CSF(macrophage colony-stimulating factor)の研究を通じて、マクロファージ機能と動脈硬化症の関係についても明らかにした。今回、LPLあるいはアポEを過剰発現するLDLレセプターノックアウトマウスを作成して、新しい動脈硬化症モデルを作成した。LPL過剰発現マウスでは、レムナントの相当する分画が消失しており、高コレステロール食にて飼育しても、LPL過剰発現マウスでは動脈硬化病変は軽微であり、約1/10に抑制されていた。LPLの過剰発現がレムナント減少という機序を通じて、LDL受容体欠損モデルにおいて動脈硬化症の進展を抑制することが明らかとなった。動脈硬化症の治療を考える時、LPL作用を介する高中性脂肪血症治療の有効性を示している。既にヘルシンキ-スタディにおいて高中性脂肪血症治療の有効性は示されているが、これらの動物モデルを今後の動脈硬化症研究や治療薬の開発に役立てたい。またこれらのモデル動物を用いて、個体、さらには臓器レベル即ち血管系への遺伝子治療が可能となることが期待される。
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