研究課題/領域番号 |
05557060
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 明 京都大学, 医学部, 講師 (00240820)
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研究分担者 |
平尾 佳 大塚電子株式会社, ソフトウェア開発部, 研究員
岡 宏一 大塚電子株式会社, 研究開発部, 主任研究員
田中 絋一 (田中 紘一) 京都大学, 医学部, 助教授 (20115877)
山岡 義生 京都大学, 医学部, 教授 (90089102)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1993年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | 近赤外光分析 / 生体分光 / インドシアニングリーン / 肝臓 / 色素クリアランス |
研究概要 |
インドシアニングリーンは近赤外光領域である805nmに特異的な吸収を有するので、その性質を利用して、我々の開発してきた生体近赤外光分析を用いて、肝臓の吸収スペクトラムを、類洞を中心として存在するオキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、肝ミトコンドリアに存在するチトクロムオキシダーゼの酸化型、還元型、肝臓の吸収のバックグラウンド、インドシアニングリーンの成分に分解し分析した。肝臓における酸素供給をヘモグロビンの酸素飽和度をもちいて、インドシアニングリーンの肝細胞内への取り込みの過程をインドシアニングリーンの吸収の上昇過程の速度定数を用いて、肝細胞内の輸送、細胆管への排泄の過程をインドシアニングリーンの下降過程の速度定数を用いて評価を行なった。インドシアニングリーンの上昇、下降過程がそれぞれ肝細胞膜を介する取り込み、肝細胞からの輸送排泄過程を反映していることを、色素の肝細胞を介する取り込みを競合するビリルビン、細胞内の微小管を介する輸送を阻害するコルヒチン、細胆管への排泄を障害するウアバインを用いて、証明を行なうことに成功した。続いて、肝臓の虚血、再潅流における障害モデルにおいて肝細胞を介する取り込みの過程は速やかに障害から回復するのに対し、細胞内輸送、細胆管への排泄はその回復が遅延することが明らかとなった。その障害は細胞内のATPレベルの低下とは必ずしも一致せず、細胞内カルシウムを介する機序等が示唆された。さらに、本法を用いて虚血操作を加えた葉と操作を加えていない葉の機能を同時に評価する分肝機能評価を行なったところ、虚血を加えていない葉にも反対側の虚血の影響が及んでいることが明かとなり、肝臓外科において汎用されている虚血操作について再検討を要することが示唆された。
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