研究分担者 |
三嶋 基博 (三嶋 基ひろ) 第一薬科大学, 講師 (70190626)
生田 義浩 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (90264308)
坂元 正克 (坂本 正克) 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (70196103)
東 兼光 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40238267)
矢野 敏之 熊本大学, 医学部, 助手 (50253729)
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研究概要 |
1.グルチルレチン酸ヘミフタレートを添加すると有意に貼付リドカインの皮内吸収が促進され,その促進効果はエイゾン,カプリン酸など他の経皮吸収促進剤より優れていた。また,その効果は3%が最適であった。 2.グルチルレチン酸ヘミフタレートを添加した場合と添加しない場合の10%リドカインゲルの鎮痛効果をヒトで比較すると,添加ゲルのほうが無痛効果,効果発現時間に関して有意に優れていた。 3.本リドカインの60分間貼付で,スポット皮膚麻酔が得られた。その場合,血中リドカイン濃度は0.01μg/ml以下で副作用も認められなかった。 4.72時間パッチテストなどでも局所皮膚に有害な反応はみられなかった。 5.本リドカインの無痛効果,効果発現時間は,現在ヨーロッパで使用されているEMLAクリームに勝るとも劣らなかった。 6.成人手術患者を対象として静脈内留置針刺入60分前に,本リドカインゲルを貼付すると,その80%以上に十分な無痛効果が得られた。 7.小児の静脈内留置針刺入に際して,成人以上の除痛効果が得られた。 8.腎不全患者が人工透析を受けるときの血管穿刺痛に有効であった。 9.急性期の帯状疱疹の痛みの制御に有用であった。 10.成長ホルモンを毎日注射する小児15名を対象に,約6ヵ月にわたって本ゲルを注射前に貼付し,本ゲルの無痛効果,有用性を確認した。 11.貼付前にストリッピングなど皮膚への前処置を行っておくと,貼付時間を30分に短縮できた。 12.本ゲルに添加する経皮吸収促進剤グルチルレチン酸ヘミフタレートは、ゲル貼付部の局所皮膚血管の拡張を抑制し,皮内に浸達した局麻薬の局所滞留を助長した。
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