研究課題/領域番号 |
05557093
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
祖父江 鎭雄 大阪大学, 歯学部, 教授 (60029973)
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研究分担者 |
木下 昭弘 大阪大学, 歯学部, 助手 (50234315)
楽木 正実 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60191681)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
1994年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1993年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | リン酸四カルシウム / クエン酸 / 覆髄剤 / 修復象牙質 |
研究概要 |
平成5年度の本研究において、試作セメントであるリン酸四カルシウム-クエン酸複合セメント(4CPC)をイヌ歯牙に直接覆髄した実験で、4CPCは対照として用いた水酸化カリウム製剤Dycal^<TM>よりも早期に、より高い確率で修復象牙質が形成させることがわかった。また、この修復象牙質形成過程は歯の発生時における正常な象牙質形成過程と同様であると思われた。さらに、修復象牙質が形成されている部分は勿論のこと、形成されていないセメントの部分にもハイドロキシアパタイト(HAP)の出現が認められ、セメント自身もHAPに転換しているものと思われた。 平成6年度は実験期間が6ヵ月、1年のものに対し同様な実験を行い、4CPCの直接覆髄剤としての最終的な予後を観察した結果、非常に予後良好であった。また、この4CPCに対して細胞毒性試験を行ったところ、4CPCは全く毒性がないことが判明し、4CPCで直接覆髄してもなおかつ修復象牙質の形成が認めれない場合に出現する炎症細胞浸潤の原因は覆髄中の細菌感染によるものと考えられた。そこで、さらに抗菌剤を添加した3種類の4CPCについて同様の動物実験を行ったが、どの実験結果の予後は不良であった。この原因として考えられるのは抗菌剤自体に化学的刺激性及び細胞毒性があるためと考えられた。 以上の結果より、4CPCは直接覆髄剤として非常に有望な材料であることがわかった。今後は、4CPCに添加する抗菌剤についてさらなる検討をする必要があると思われる。
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