研究課題/領域番号 |
05557097
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三川 潮 東京大学, 薬学部, 教授 (60012613)
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研究分担者 |
佐藤 俊次 ツムラ(株), 研究所, 研究員
渋谷 雅明 東京大学, 薬学部, 助手 (50170923)
野口 博司 東京大学, 薬学部, 講師 (60126141)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1994年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1993年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 生物活性物質 / スクリーニング / 抗パフ作用 / 抗アレルギー作用 / リグナン / スチルベン / フラボン / Ca拮抗作用 |
研究概要 |
日本、中国、台湾、香港、インドネシアなど東南アジア各国で入手した200種以上の生薬、薬用植物について抽出エキスを作成し、各種のインビトロバイオアッセイ系について活性物質の存在を探索するスクリーニングを行い、前年度までにカルシウウム拮抗物質として、ゴボウシよりトラケロゲニン(リグナン)、カッコウよりパチュリアルコール(セスキテルペン)を同定し、また、抗PAF作用物質としてシリンガレジノール型のリグナンとセスキテルペンラクトンを同定した。さらに、抗アレルギー作用物質として、インドネシアの生薬(ボロンボロン)からはスチルベンとフラボンを同定した。異なる種類のバイオアッセイで作用を示したこれらリグナン、スチルベン、フラボンは、いずれもある程度の距離を置いて2つのベンゼン環をを持っており、活性発現の大きな要素と考えられた。そこで、ベンジルアミン類を安息香酸誘導体を反応しアミド化合物を合成し、11種の2つのベンゼン環の間をアミド結合で結んだ化合物を合成した。これら、合成した11種の化合物について、ヒスタミン遊離抑制御試験とウサギ血小板凝集抑制試験を行ったところ、いくつかのものは、有意な活性を示した。今後、これらの化合物について、インビボ活性の検討を予定している。また、さらに2つのベンゼン環の結合をより短くするために、アニリン誘導体に安息香酸誘導体を反応させることも予定している。 前述のスクリーニングで、中国南部、及び台湾で民間薬(抗炎症作用)として用いられているFissistigma oldhamii(Hemsl.)Merr.のメタノール抽出エキスが血小板凝集抑制作用を持つことを見出し、活性成分を同定した。この化合物は、新規化合物で、4環性のhydro-oxadiazine構造をもち、その構造は最終的にX線結晶解析により決定し、Fissoldhimineと命名した。Fissoldhimineは今までの抗炎症薬とは骨格が大きく異なっており、新たな抗炎症薬開発のリ-ド化合物になりうる可能性がある。
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