配分額 *注記 |
18,100千円 (直接経費: 18,100千円)
1995年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1993年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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研究概要 |
FGFは多様な生理作用を示す生理活性ペプチドで,現在まで,9種類の異なったFGFが存在することが明らかにされている。FGFはその構造に著しい類似性がみられることから,その構造類似性の高いアミノ酸配列に対応する2種類の縮重プライマーを合成した。この縮重プライマーを用いてラット胎児cDNAライブラリーをスクリニ-ニングしたところ,新規なFGFをコードするcDNAが得られた。cDNAの構造解析から215アミノ酸残基からなる新しいFGFの構造が明らかになり,これをFGF-10と名付けた。 FGF-10の発現の臓器特異性を調べたところ,成体より胎児で高発現していた。成体では多くの臓器で,その発現は見られなかった。しかし,脂肪組織では特異的に高発現がみられ,FGF-10は脂肪細胞増殖因子の一つである可能性が高い FGF-10を培養細胞発現系で発現させ,その生物活性を調べた。FGF-10は表皮細胞に特異的に細胞増殖活性を示し,線維芽細胞には増殖活性を示さないユニークな増殖因子であることが明らかになった。さらに,大腸菌で,大量発現を目指したところ,大腸菌で効率良くFGF-10が発現していることが明らかになった。 今後は,このFGF-10の生物活性,薬理活性などの活性を調べるとともに,現在まで,知られている4種類の受容体との親和性,細胞内情報伝達機構などを調べ,FGF-10の医薬品への応用への基礎的な知見を得る。
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