研究課題/領域番号 |
05557113
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
|
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 温彦 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
|
研究分担者 |
石田 美知子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
郭 伸 東京大学, 医学部・神経内科, 講師 (40160981)
大船 泰史 (財)サントリー, 生物有機科学研究所, 研究員 (20142078)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
1994年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | 代謝調節型グルタミン酸受容体 / カイニン酸誘発神経細胞死 / 辺縁系けいれん / 中枢抑制 / 神経細胞保護作用 / 海馬 / 辺緑系けいれん |
研究概要 |
本研究により、2-(carboxycyclopropyl)glycine(CCG)の誘導体であるL-CCG-I,DCG-IV,cis-およびtrans-MCG-Iなどの新しい代謝調節型グルタミン酸受容体アゴニストが見出された。カイニン酸 5mg/kg の全身投与によって生ずるラットの精神学的な症状を、脳室内にDCG-IV(100pmoles)を単回適用することにより、かなりの程度軽減する。生体内埋めこみ用浸透圧ポンプにより、DCG-IVをラット側脳室内に持続注入(15時間)し、そこにカイニン酸を 2nmoles/rat側脳室適用すると、痙攣発生を顕著に抑制するケースが認められた。更に、DCG-IVの投与量を変動させて(24-240pmolea/rat)、定量的に実験を行なった結果、用量依存症にlimbic motor seizuresの発生を抑制することが判明した。しかも、痙攣抑制にほぼ対応して、海馬CA3や扁桃核におけるカイニン酸誘発神経細胞死の発現頻度を有意に低減させた。カイニン酸による痙攣や神経細胞死を押さえる薬物は2、3知られているが、麻酔作用によって意識が喪失するような薬物が殆どである。意識の低下を伴わずにカイニン酸の激烈な中枢興奮作用を抑える薬物は少なくとも現在では極めてまれである。今までのグルタミン酸の生理作用に関する研究は主としてNMDA型やカイニン酸型などのイオンチャネル型グルタミン酸受容体を中心にして行われてきたが、このように神経細胞死を防止する作用を持つ代謝調節型グルタミン酸受容体アゴニストが出現したことは、神経変性疾患に関る神経細胞死の今後の研究を進める上で画期的なことである。
|