研究課題/領域番号 |
05557123
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 俊一 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00153346)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | サイトカイン / インターロイキン10 / 強皮症 / 全身性エリテマトーデス / 慢性関節リウマチ |
研究概要 |
インターロイキン10(IL-10)は新しい抑制性サイトカインであるが、我々はIL-10測定法を改良し、自己免疫疾患やアレルギー疾患患者血清中のIL-10濃度を測定し、その臨床的意義を検討した。 1.IL-10測定法の改良 二種のモノクローナル抗体を組み合わせ、発色系を改良することにより、ELISAの感度を50pg/mlから10pg/mlまで向上させた。正常人の血清IL-10濃度は100〜200pg/mlであり、改良したELISAでは正常人とともに低下群の測定も可能となった。 2.自己免疫患者血清IL-10濃度の測定 全身性エリテマトーデス(SLE)、慢性関節リウマチ(RA)、強皮症などの膠原病患者の血清IL-10濃度を測定した。SLEやRA患者血清中のIL-10濃度は正常人より高く、特にその活動期に著明であった。一方、SSc患者血清中のIL-10は病勢や病状に関係なく、正常人より低かった。 3.患者血清中の他のサイトカイン濃度 強皮症患者血清中のIFN-γおよびTNF-αは正常人に比し有意に高く、TNF-αはIL-10と逆相関を示した。 4.リンパ球によるIL-10産生 強皮症患者末梢T細胞のPHA刺激によるサイトカイン産生能を検索したところ、IL-2産生は亢進していたにもかかわらず、IL-10産生は正常人T細胞に比し有意に低下していた。 以上のことより、強皮症患者では、Th1-likeヘルパーT細胞優位の状態にあると考えられ、その表現としてのIL-10低下はTNF-α増加などを介して、病態(線維化や血管病変)に深く係わっている。一方、SLEやRAではTh2優位性が推察され、現在その解明を行っている。
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