配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1993年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
本研究では,配線問題に制限されない高度並列処理を実現することを目指して,光の波長多重性を利用した「光多重コンピューティングシステム」を試作し,総合的な評価を行った. 1.本研究代表者が提案する3種類の光集合論理ゲート:和集合ゲート,補集合ゲートおよび変換ゲートを用いて光多重コンピューティングシステムを系統的に設計する方法を確立した.さらに,誘電体多層膜フィルタ,光ファイバ,レーザダイオード,フォトダイオードおよび電子回路部品を組み合わせて上記の光集合論理ゲートを試作し,これに基づく並列多重加算モジュールの実現に世界で初めて成功した. 2.インタコネクション専用ハードウェアに光多重コンピューティングを適用した場合の配線量減少の効果および速度を評価した.この結果をもとに,r種類の波長を用いることによりBPC結合の配線密度を1/r以下に減少できる最適多重化法を開発し,信号線数最小の光多重ソーティングネットワークを設計した.さらに,種々の個別素子を用いて8入力4多重光バイトニックソーティングネットワークを構成し,複雑な構造のネットワークをリンクの交差のない単純なトポロジーで実現可能であることを実証した. 3.光多重コンピューティングシステムの集積化の鍵になる多波長分光用光電子集積回路(フィルタ・ディテクタ)を試作し,635nm〜830nmの範囲の4種類の波長を1チップで分光・検出することに成功した.試作結果に基づき使用可能な波長数を検討した結果,現在の加工精度で約8波長の多重化が可能であることが判明した.この場合,BPC結合ネットワークの面積的複雑さは,約1/64に減少することを明らかにし,次世代集積システムにおける配線ボトルネックの解消のために波長多重化が有効であることを実証した.
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