研究課題/領域番号 |
05558026
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米澤 明憲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00133116)
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研究分担者 |
小林 直樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00262155)
松岡 聡 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20221583)
加藤 和彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (90224493)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | コンパイラ実装 / 並列オブジェクト / ABCL / f言語 / 並列言語 / MIMD計算機 / メッセージ送受信 / マルチ・スレディング / デバギング方式 / 超並列MIMD型計算機 / 言語処理系 / ASCL / f / デバッグ方式 / Schematic / 起並列MIMD型計算機 / ユンパイラ / ガ-ベジコレクション / 並列オブジェクト言語 / 超並列計算機 / コンパイラ / MIMD / 実行支援系 / スーパーコンピューティング / AP1000 |
研究概要 |
本研究は、MIMD型の汎用並列計算機上に並列オブジェクト指向言語の極めて効率の良い言語処理系、すなわちコンパイラと実行時系を実現し、並列オブジェクト指向に基づくプログラム実行を実用に供することを、目的としたものである。我々の3年間の研究開発により、基本的にこの目的は十分達成され、さらに、実際のプログラミグに欠かせないマルチスレッドプログラムのデバッグ方式の考案にも、大きな成果をあげた。以下、具体的成果を述べる。 (1)並列オブジェクト指向言語ABCL/fを新たに設計し、記述実験を行ない、言語設計を完成させた。この言語では、並列プロセスの生成はFuture Objectの生成をともなう関数・メッソドの呼び出しとして、またプロセスの同期はFuture objectを介する値の受信として、表現される。さらに、状態が更新されるデータ構造は基本的に並列オブジェクトとして表現され、これへのアクセスはそのオブジェクトに定義される、互いに排他的なメソッドの起動によってのみ可能となる。また、この言語は型付きで、ML流の型多相が許される。「論文7」 (2)ABCL/fより簡素化することにより、Schematicと呼ぶ言語も新たに設計した。この言語は、LISP系の言語として広く流布しているScheme言語の、並列オブジェクト指向への拡張と見ることが出来る。「論文14」 (3)ABCL/言語を含む、比較的一般的は並列言語の並列計算機上での実現において、メッソドの呼び出しや終了にともなうコンテクストの切替えを効率良くおこなうために、核となる抽象マシンStack Threadの設計をおこなった。更にStack Threadの効率の良い実装方式を考案した。「論文1、2、8」 (4)Stack Threadとその実装に基づき、ABCL/f言語の処理系を実現し、ノード間及びノード内のオブジェクト同士のメッセージ送信にかかる時間を計測し、目標とする数値を上回る良い性能を得た。 (5)実時間ガ-ベジコレクション方式を考案し、その性能を評価するとともに、(4)で実現した、言語処理系に組み込んだ。「論文10、11」 (6)デバッグ方式の研究として、多数のスレッドが同時に走る環境で極めて少ない量のログ情報で実現される再演およびレース条件判定の方式を考案・実装した。「論文15」 (7)(a)RNA2次構造予測プログラム及び(b)有限要素法と多体問題解法のプログラムをABCL/f言語で開発し、完成したABCL/f処理系を用いて実行することにより、実用上極めて強力な性能評価値を得た。「論文9、12、13」
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