研究分担者 |
江 浩 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (00242917)
高木 博 (株)日立メディコ, CT設計部, 主任技師
飯沼 武 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (60159572)
館野 之男 (舘野 之男) 放射線医学総合研究所, 嘱託 (90163493)
松本 満臣 都立医療技術短期大学, 放射線科, 教授 (20209654)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1993年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
[1]研究の目的 申請者らは,肺癌早期発見システムとして車載型X線CTシステムを提唱した.本研究はその一環として,発生する大量の画像情報を約1桁削減して医師に提示する医師支援システムの開発を行った.具体的には下記2方式の研究を行った. (1)30枚/患者の画像情報をいわゆるMIP法(Maximum Intensity Projection)により1枚の2次元画像に投影表示する方式の研究. (2)30枚/患者のCT断面像のうち,肺癌候補の有無を計算機が自動認識し,候補ありと判定された断面(真の肺癌と,疑わしき正常例を若干含む)のみを医師に呈示する方式の研究. [2]MIP法関係 MIP法関係の主課題は,肺野領域を正確に抽出することである.そこで肺野抽出を粗決定と精密決定の2段階方式で行い,前者は主としてしきい値処理方式を,後者は主としてMathematical morphologyにおけるDilation,Erosion演算および新規開発のSplit-Quoit方式を採用した.この方式を5例の肺癌患者を含68症例に適用して良好な結果を得た.ただし,肺癌以外の一部病巣を肺野領域外とみなす傾向が認められたため,さらに追加開発を行った.すなわち,あらかじめ肺野領域,助骨などのモデル情報を計算機内に内在させ,これと入力画像の対応部位との関係を調べることにより肺野領域を粗抽出し,その周辺でsnake処理により肺野部を精密決定する手法を開発した. [3]自動認識法関係 肺癌候補領域の自動抽出アルゴリズムには,申請者が新たに開発した2次元Quoit(輪投げ)フィルタを用いた.このフィルタは,肺癌領域のような独立性陰影部分に選択的に応答する性質を有し,その他の陰影にはほとんど応答しないことを明らかにした.さらにこれを3次元に拡張した 3次元Quoitフィルタ方式,およびMIP-2D-Quoit法なる新方式を追加開発した.この結果,68症例,1809スライス断面に対して,医師が見るべき枚数を144枚,全体の8%(1症例に換算して2.1枚)に削減できた.また,この時肺癌症例はすべてこの中に含まれた.
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