研究課題/領域番号 |
05558052
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
伊藤 驍 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (80042315)
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研究分担者 |
佐藤 悟 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30141865)
長谷川 武司 秋田工業高等専門学校, 一般科目理科, 教授 (10004409)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 地すべり災害 / 地すべり危険度分析 / 融雪水質 / テレメタリングシステム / リモートセンシング / グリーンタフの強度特性 / 融雪 / 地すべり粘土の挙動 / 地すべり危険度 / テレメタリング / 水質分析 / 危険度分析 |
研究概要 |
東北6県ならびに新潟、富山、福井から地すべり災害資料を収集し、その発生時期や各県別の特徴的巨大地すべりについて調査した。その結果、地すべりは東北・北陸では4月に多く、面積的には融雪期に7〜8割が発生することを確認した。特に巨大地すべりは豪雪地帯に位置し、第三紀層の地質特に泥岩、凝灰岩等で発生し、地すべり面に慨ね地すべり粘土を介在していた。この粘土は水と反応して膨潤性を示すスメクタイト類が多く、その膨潤現象が地すべりに関与していると考えられた。そこで、粘土の膨潤性や力学試験を行い、その挙動に関する構成式を導いた。さらに、融雪水量が増大する時期に地すべりが顕著な動きを示していたことから、地すべりのレオロジーモデルを考案し、例えば秋田県の谷地地すべりの発生に関する地すべり粘土の粘着力や内部摩擦角がどのくらいであるかその限界値を推定することができた。 一方、建設省が指定した各県別地すべりの危険箇所について地域的特徴を調べたところ、危険度は雪の要因を考慮するとより明確になることを明らかにした。今回の解析ではこれを含む8つの因子を採択して危険度を再検討した。その結果、個々の地すべり地に得点が付与され、危険度の高いところはいずれも特別豪雪地帯に集中し、地すべり対策にとって重要なランク付けのハザードマップを秋田、山形、宮城の3県について作製することができた。 これに対し、現在融雪期を中心に動きのみられる秋田県東鳴瀬村谷地地すべりを選定し、地すべり冠頭部にテレメタリングシステムを設置し、降雪強度等の観測を行い、データ回収に一応の成果を得た他、降雪強度に地域性があるのでその補正係数の検討も行った。 また、地すべりをリモートセンシングの観点より研究するため、ランドサットMSS画像を1979〜1987年にわたって解析した。その際、バンドを変えるに当たってプログラム改良を行い解析を試みたが、雄物川流域ではこの期間での顕著な地すべり挙動は見当らなかった。 さらに融雪河川の水質分析から、融雪期には土壌・地質を起源とする水質に特殊な変化がみられるが、その影響は長期にわたり継続していること等を示した。
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