研究課題/領域番号 |
05558081
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 信孝 京都大学, 薬学部, 教授 (60109014)
|
研究分担者 |
藤本 正文 塩野義製薬, 研究所, 主任研究員
林 恭三 岐阜薬科大学, 名誉教授 (00029935)
飯田 彰 京都大学, 薬学部, 助手 (40202816)
玉村 啓和 京都大学, 薬学部, 助手 (80217182)
太田 光煕 国立宇多野病院, 研究員
藤多 哲朗 京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
|
キーワード | 老人性痴呆 / アルツハイマー型痴呆 / 神経栄養因子 / 化学選択的精製法 / ジスルフィド形成反応 / Trk受容体 / Tau蛋白質 / 非水解性リン酸化ペプチド / NGF合成促進因子 / アルツハイマー / NGF / フラグメント縮合 / 二価官能性試薬 / 化学選択的固定化 / ジメチルスルホキシド / ジスルフィド形成 / 老人性痴呆症 / Biotin化試薬 / アフィニテイークロマト / Arg-vasopressin(4-9) |
研究概要 |
本研究においては、アルツハイマー型老人性痴呆症との関連が指摘されている神経栄養因子に着目し、合成品を用いる老人性痴呆症の診断用特異的免疫測定法の開発を目的として以下の研究を遂行した。研究途上において神経栄養因子の血中濃度が老人性痴呆症患者と正常人との間で有意差が認められないとの報告に接し、神経栄養因子の特異的免疫測定法の開発が老人性痴呆症の診断に一義的に展開できないことから基礎研究に重点を移した。 I.二価官能征SH-導入試薬による固相合成ペプチドの化学選択的一段階精製法および可逆的ビオチン化試薬による最終品の高効率精製法を開発した。 I.本研究においては固相合成法により各栄養因子に対応するフラグメントペプチドを合成し固相担体上でのフラグメント縮合法によりペプチド鎖を構築し二価官能性試薬を用いる化学選択的精製法により中間体及び最終品を精製する計画であった。しかしながら、神経栄養因子のようなCys含有ペプチドの精製収率が低いこと、及び固相担体上でのフラグメント縮合収率がペプチド鎖の延長に伴い著しく低下すること等により、本ストラテジーによる神経栄養因子の全合成は極めて困難であることが判明した。 II.分子内に3個のジスルフィド結合を有する神経栄養因子の最終段階でのジスルフィド形成反応への応用を目的として酸性条件化でのスルフォキシド酸化法を用いる位置選択的ジスルフィド形成法を開発した。本法は上記の理由により神経栄養因子の合成には用いられなかったが抗HIVペプチド等種々の生物活性ペプチドの合成において有用性を立証した。また本法を応用して、記憶増強作用を有するNGF合成促進因子及び数種の誘導体を合成した。 III.神経栄養因子の受容体(Trk)を介するシグナル伝達にはTrkのTyr残基のリン酸化が重要な役割を果しており、またアルツハイマー型痴呆症の発症に微小管関連蛋白質であるTau蛋白質の異常リン酸化が関連している、そこでこれらの生化学的研究に必要なリン酸化ペプチドの効率的合成法を開発した。またシグナル伝達阻害剤、およびTauリン酸化阻害剤の開発を目的として非水解性リン酸化アミノ酸の設計合成、非水解性ジペプチド等価体としての(E)-アルケン型ペプチドイソスターの立体選択的合成法を開発した。
|