研究課題/領域番号 |
05558087
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
遠藤 弥重太 愛媛大学, 工学部, 教授 (40093843)
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研究分担者 |
中野 功一 東ソー株式会社, 生物工学研究所, 室長
横山 茂之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00159229)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 無細胞蛋白質合成システム / リボソームの不活性化蛋白質 / コムギ胚芽無細胞系翻訳反応効率化 / 転写翻訳共役大腸菌無細胞系 / 安定同位体元素2重標識蛋白質 / NMRによるRaf / Ras相互作用部位の構造解析 / コムギ胚芽無細胞系の翻訳反応効率化 / 安定同位体元素2重標識Ras蛋白質 / 無細胞蛋白質合成 / リボソーム / ロボソームRNA / RNA N-グリコシダーゼ / 翻訳活性の効率化 / 連続式無細胞蛋白質合成 / 小麦胚芽無細胞蛋白質合成系 / 大腸菌無細胞蛋白質合成系 / 連続反応装置 / 転写・翻訳共役反応 |
研究概要 |
蛋白質大量生産のための無細胞合成システムを開発する目的で、コムギ胚芽と大腸菌から調整した無細胞系を用いて、連続反応槽の作製および反応系の効率化の観点から研究を行い、以下の成果を得た。 1.連続反応槽の製作:反応容量が1、5、10mlの連続反応槽を試作し、コムギ胚芽と大腸菌無細胞蛋白質合成系を用いて連続合成を行った結果、反応中に細胞成分の変成による限外ろ過膜の目詰まりのため、合成反応が停止する。この現象は、反応槽、撹拌方法、ろ過膜等の装置の性能に原因するものでなく、リボソームの不活性化など蛋白質合成系の活性低下に起因する細胞抽出液の不溶化によるものであることが判明した。そこで、リボソームの不活性化反応の阻止方策および翻訳反応の至適化など、反応系の合成効率化について研究した。 2.コムギ胚芽系:一般に細胞抽出液における蛋白質合成活性は極めて低い.小麦胚芽抽出液には自身のリボゾームを不活性化するリボソーム不活性化蛋白質が内在し、これが翻訳反応を阻害することを見い出した。そこで、坑トリチン抗体を無細胞系に添加し、内因性のリボソーム不活性化蛋白質の活性を中和したところ、翻訳反応効率が上昇した。また、小麦胚芽にはトリチンに対する強力な特異的阻害因子(240KDaの蛋白質が存在を見い出した。この内因性阻害剤は無細胞蛋白質合成系の効率化にきわめて有用であるものと期待される。 3.大腸菌系:濃縮した大腸菌無細胞抽出液(S-30)に高濃度の原料アミノ酸やエネルギー源を添加することによって、蛋白質合成効率を従来の5倍以上(反応系1.0ml当り、0.4mg)に高めることに成功した。この無細胞システムの有効な利用方法として、特定部位のアミノ酸残基を安定同位体元素で2重標識することによって、蛋白質・蛋白質間相互作用部位など、超高次構造についてもNMR解析が可能であることを実証した。
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