研究課題/領域番号 |
05558105
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神谷 瞭 (神谷 暸) 東京大学, 医学部(医), 教授 (50014072)
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研究分担者 |
塩 育 (株)ニコンエンジニアリング, 開発部長
安藤 譲二 東京大学, 医学部(医), 客員助教授 (20159528)
柴田 政廣 東京大学, 医学部(医), 講師 (60158954)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1993年度: 14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
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キーワード | 微小循環 / 酸素分圧 / リン光寿命 / 生体顕微鏡 / レーザー / 組織代謝 / Stern-Volmer方程式 / 骨格筋 / 組織酸素分圧 / stern-Volmer関係 / 燐光寿命 / 酸素プローブ / 蛍光寿命 |
研究概要 |
生体の生命活動のほとんど全てが酸素を消費して合成されるATPをエネルギー源として営まれている。従って、組織内での酸素分圧は生命活動が潤滑に行われているかどうかの最も端的な指標の一つであり、その計測の重要性に疑いを挟む余地はない。本研究ではリン光寿命計測用の時間分解型生体顕微鏡を開発し、骨格筋を対象に細動静脈を含め微小循環領域での酸素分圧分布の局所計測を試みた。酸素分圧計測用の酸素感受性リン光プローブには下Pbポリフィリンを用い、頸静脈より注入後、生体顕微鏡下において計測を行った。今回新たに開発した時間分解型生体顕微鏡は、通常観察用の透過型照明とリン光寿命計測用の発振波長535nmのN2/dyeパルスレーザーを光源とするスリット型照明の2方式を持ち、測定範囲は10umが得られる。リン光測光には光電子増倍管を用い、20Hzパルスレーザーの照射に同期して時間分解能3usで20回の加算平均により1秒毎の酸素分圧が連続して得られる。骨格筋酸素分圧分布計測に先立ち、ラット腸間膜組織を対象に微小酸素電極を用いた同時測定を行い本法の性能評価を行った。酸素吸入等により種々の状況において同時計測を行った結果、組織酸素分圧5mmHgから100mmHgの範囲において両者の測定値は10%以内の違いで良好な相関が得られた。本法によりラットcremaster筋酸素分圧の局所計測を行った。安静時細動脈酸素分圧は分岐前の1次レベルでは薬70mmHgと高値を示したが、分岐後の2次レベルでは約55mmHgに、また2回分岐後の3次レベルでは約45mmHgと分岐を重ねるに従い低下した。一方、細静脈に関しては、分岐のレベルに係わらず約30mmHgの値を保っていた。また組織酸素分圧は細動脈に近接(約15-20um)した部位では全ての分岐レベルで細動脈酸素分圧マイナス15-20mmHgであったが、離れた(約100um)部位では5-8mmHgと著しい低下を示した。さらに酸素吸入時における組織酸素分圧変化は腸間膜組織のような急激な上昇は見られなかった。新たに開発した時間分解型生体顕微鏡により組織酸素分圧の局所計測が可能となり種々の分野での活用が期待される。
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