研究課題/領域番号 |
05558108
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
赤池 敏宏 (1994) 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30101207)
丸山 厚 (1993) 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40190566)
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研究分担者 |
渡辺 恵史 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40231013)
赤池 敏宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (30101207)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 肝細胞 / PVLA / β・ガラクトース / 糖鎖 / ナノスフィア / ドラックデリバリーシステム / レクチン / 生分解性微粒子 / 生分解高分子 / 微粒子 / 薬物担体 / 標的投与 |
研究概要 |
近年、薬物の放出速度制御および局所投与を目的として、薬物を含有させた生分解性高分子ナノ(マイクロ)スフィアの利用が注目されている。生分解性高分子ナノスフィアは、肝臓や膵臓の網内系(RES)などに非特異的に取り込まれやすい欠点があり、これらの非特異的な相互作用を抑制することが必要である。網内系細胞とナノスフィアとの相互作用は、ナノスフィアの粒径に加えその表面の物理化学的性状に大きく依存する。したがって、抗体や糖鎖のような特異性リガンドの導入、また非特異的相互作用を抑制のために、表面性状を任意に制御する方法が必要となる。しかし、一般に生分解性ナノスフィアはその特性上、分解性が高く、その表面を化学的に修飾することは困難である。さらに、調製したナノスフィア表面を、適当な両親媒性物質でコーティング処理する手法もあるが、分散性を劣化させナノスフィアの凝集を誘起しやすくする。そこで、親水性リガンドを有する両親媒性高分子を乳化剤として用いるのと同時に、調製後もナノスフィア表面に安定に吸着する吸着物質として用い、ナノスフィアを調製する調製法に着想し、我々は、糖鎖を高密度に表面に有するナノスフィアの新規調製法を確立することに成功した。ナノスフィアは、細胞認識リガンドである糖鎖(β・ガラクトース)を有する両親媒性高分子ポリビニルベンジルラクトノアミド(PVLA)を用い、液中乾燥法により調製した。レクチンによるナノスフィアの凝集挙動及びナノスフィア中に存在するPVLAの定量の実験により、ナノスフィアを洗浄あるいは凍結乾燥後もPVLAが表面に安定に吸着残留し、ナノスフィアが高密度の糖鎖で覆われていることが明らかになった。また、in vitroでの肝細胞によるナノスフィアの取り込みの実験から、ナノスフィア表面の糖鎖が細胞特異的リガンドとして機能していることが明らかになった。
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