研究分担者 |
相馬 健 日本光電(株), R&Dセンター, 係長
片山 国正 テルモ(株), 技術開発本部, 部長
岡田 英史 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40221840)
捨田利 外茂夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10216145)
寺本 龍生 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00146713)
稲垣 大 (株)豊田中央研究所, 研究3部, グループリーダー
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
本研究は,肛門機能を喪失したヒトに対して心理的負担の大きい下腹部の人工肛門造設術に代わり,大腿薄筋を肛門管周囲に移植し,その筋に電気刺激を行い,筋を収縮させ肛門内圧を保持する生理的人工肛門の再建術に関する研究である.平成7年度の研究実績概要を以下に記す. 1.刺激パラメータ可変の小型電気刺激装置を用いた長期慢性実験:最適電気刺激量を設定可能なパラメータ(パルス幅,周波数,振幅)可変の小型電気刺激装置を試作した.これを用いて,家兎を対象とする長期慢性実験を行った.この小型刺激装置とマイクロコンピュータを組合せ,とくにパルス幅変調により肛門収縮圧を連続的に長期にわたり制御し,人工的に肛門収縮と弛緩を可能にする実験を行った結果,良好な機能維持がなされ、本研究の有効性が確認された. 2.体内用小型圧・収縮力センサを用いた肛門内圧計測と肛門内圧フィードバック制御:上記実験にともないカテーテル先端型小型圧力センサによる肛門内圧の連続測定および代替筋の内側に埋め込んだ体内留置小型圧力計による筋収縮力の連続測定により機能的人工肛門の肛門内圧フィードバック制御の有効性を評価した.その結果,長時間安定な肛門内圧モニタリングと連続モニタした肛門内圧(筋収縮力)に応じたフィードバック制御が可能であることを確認した.肛門機能再建の長期慢性実験を継続する. 3.動物実験による本法の有効性の評価:柔軟性の高い細線・ステンレス綟り線電極を薄筋支配神経近傍に埋め込み,脱落しない状態で長期継続刺激を行い,刺激効果,生体適合性,高寿命・耐久性,等に関して評価を行った.また,コンディショニングの最適条件の決定と耐疲労性(疲労抵抗性)筋の獲得,さらにコンディショニング後の代替筋による肛門収縮機能の再建を確立した.動物の健康状態,刺激装置・電極等ハードウェアの不完全性,術式の不備,術後の管理による機能不全に対する問題点を抽出し,検討を行い,改善点の検討を行った. 4.臨床応用を考慮した機能的電気刺激装置の実装化と生体適合性の検討:肛門内圧制御による刺激パラメータ可変の埋め込み型小型電気刺激装置の改良を行い,メーカの協力により試作機を完成させた.刺激パルス電圧を一定値に設定し,パルス幅変調制御を行えば,良好に肛門内圧制御が可能であることが明かとなった.
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