配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1993年度: 12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
|
研究概要 |
走査型電子顕微鏡像の二次電子像とX線像の合成および分光した二次電子の重ね合わせにより二次電子画像をカラー表示するために,従来の走査型電子顕微鏡を改良して,その性能を調べた.得られた結果は以下の通りである.1)同時に4チャンネルのX線像が走査型電子顕微鏡の計数器を通して計算機へ送られる.また,二次電子像も同時に走査型電子顕微鏡から送られる.これらの信号を計算機のディスプレイ上でカラー合成することにより,同時に25種の画像を表示することができる.実際には,このうち単独X線像を4枚,3種のX線像を重ね合わせた像を4枚,単独二次電子像を1枚,二次電子と2種のX線像を重ね合わせた像を6枚,合計15枚を同時に表示できるようにした.2)二次電子の分光特性を簡易二次電子分光器により調べてところ,それが元素により明らかに異なることが判明した.これにより,二次電子を3バンドに分け,それぞれに赤緑,青という光の3原色を割り当てて出力することにより,二次電子像のカラー表示が可能となる.3)カラー表示に用いたディスプレイの輝度階調は,赤,緑,青とも0〜255までの256である.白黒濃淡図では,各画素の輝度は三原色ともすべて同じとし,その値は得られた二次電子強度の最小値と最大値の間を255等分して決めた.したがって白黒濃淡図の分解能は256である.地形図では高度の違いを,寒色(青や水色)から暖色(黄や赤)への色の違いとして表現することがある.この方法を採ると,全体の分解能は1021である。したがって,二次電子の強度をカラー表示すれば,白黒濃淡図に較べて,分解能が約4倍に増えるはずである.そこで,この方法で,通常の二次電子像をカラー表示してみた.ところが,白黒濃淡図では判別できる黄鉄鉱と黄銅鉱が区別できなかった.この理由については,今後検討しなければならない.
|