• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

アリストテレスのポイエ-シス論-自然の時間と悲劇の時間-

研究課題

研究課題/領域番号 05610001
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 哲学
研究機関一関工業高等専門学校 (1994)
東北大学 (1993)

研究代表者

篠澤 和久  一関工業高等専門学校, 一般教科, 講師 (20211956)

研究期間 (年度) 1993 – 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード時間 / ギリシア悲劇 / ゼノンのパラドクス / 物語(ミュートス) / エネルゲイア / 自然 / 運動
研究概要

昨年度からの研究成果をふまえて、今年度は「『詩学』における時間の問題」を扱った。具体的には、つぎの二つの点からその問題の考察を試みた。
(1)悲劇の解読においては、人間存在に本質的・不可避的につきまとう不確実性・運命を「哲学的」にどのように語り、意味づけるかが、いわば常道のひとつとなっている。たしかに、『オイディプス王』を読む(観る)者にとって、その展開と結末には有無を言わせぬ迫真性がある。しかし、悲劇の「鑑賞」という角度からではなく、悲劇の「創作」という視点から、悲劇の悲劇性を解明しようとすれば、当然のことながら、作品の核となる「物語」[出来事の組立て]という構成要件に着目しなくてはならない。ところが、「物語」という観点から見たとき、われわれにとって意外なのは、現存するギリシア悲劇作品中の最高峰と目される『オイディプス王』をAr.は最高とはみなしていない、という点である。そしてアテナイ人もまた、『オイディプス王』を悲劇競演において第一位に推さなかった。この奇妙な一致はいかなる事態をわれわれに告げているのか、それを追跡するさことによって、Ar.の悲劇論の特徴ひいては人間理解(このことは、ソポレクスを高く評価した思われるプラトンの場合と比較すれば、より一層鮮明となろう)を考察した。
(2)他方Ar.は優れた悲劇作品を生物になぞらえる。必然的な一貫性を保つことによって、「ひとつの大きさをもつもの(生物)」となるとき、悲劇作品は、Ar.が生物学的探求において見出したような、秩序性を顕著する。Ar.の哲学に通底するこの地平を析出することによって、われわれはそこに、〈悲劇の時間〉の成り立ちを見ることができ、人間にとって時間のもつ意味も看取できると思われる。
なお、この概要に基づく研究成果は、(1)と(2)との関連を考慮するかたちで、近く公表される予定である。

報告書

(2件)
  • 1994 実績報告書
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 篠澤和久: "「ゼノンの逆理」とアリストテレス" 哲学(日本哲学会編). 44. 176-185 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 篠澤和久: "アリストテレス哲学における「エネルゲイヤ論」の位置" フィロソフィア・イワテ(岩手哲学会編). 26. 12-24 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 篠澤和久: "「ゼノンの逆理」とアリストテレス" 哲学(日本哲学会編). 44(未定). (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi