研究概要 |
本年度は主にギリシア教父関係の図書充実に勢いをえて,ヘブライ思想,ギリシア教父の提示する諸テーマ(存在の生成,エペクタシス的人間論,言語行為論,創造,アガペーなど)の研究をほりさげ,成果を諸論文の形で世に問うた。また九州大学,南山大学,京都大学などへ出張し,各教授に発表していただき,資料も収集してその成果は小生が編集員として加わる『エイコーン』誌に論文の形をとった。また東欧の激動する思想世界の底流を明らかにする意味で東欧研究家と交流し,テーマを論文化した。海外との関係ではカナダ,オタワ市のドミニコ大学と交流し,ヘブライ的人間論(倫理)が現代世界の人間論(環境倫理,フェミニスム,民族問題,正義)とどう関わるかについて示唆をえた。加うるにロシア,モスクワ大学科学アカデミーの所長から,日本におけるギリシア教父研究の成果を紹介したい旨の知らせがあり,その一環として小生の論文がロシア語に訳されつつある。小生の研究実績は内・外と関わること以上のようである。
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