研究課題/領域番号 |
05610087
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 雅知 東北大学, 教育学部, 助教授 (10125627)
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研究分担者 |
真覚 健 東北大学, 文学部, 講師 (40199675)
寺田 晃 東北大学, 教育学部, 教授 (70030567)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 生涯発達 / 自己同一性 / 自己認識の統合化 / 生き方の志向性 / 青年期の発達課題 / 生活の満足感 |
研究概要 |
1.本研究は、自己同一性の確立が、青年期においてはまだ個人内部の同一性にとどまり、それ以後の社会的な経験を踏まえた生涯発達を通して、初めて真の自己同一性として統合されるという新たな観点に立って行われた。研究の出発点として、個人の自己認識に焦点を合わせて研究を進め、青年後期の人々を対象に、質問紙調査(個人の生き方の志向性を測定する尺度作成に関わる調査で、43の質問項目から構成される)を実施し、因子分析によって4因子を抽出した。すなわち、第1因子は擁不安・向大衆型、第2因子孤立型、第3因子内面的自己確立型、第4因子は自他肯定型の生き方である。 2.現状に対する満足感を問うた調査の成果としては、(1)自由を享受できる今の生活と社会に出た後の生活との間に、また目標とする自分像と実際の自分との間に何らかの不安や葛藤があること、(2)不満群は、とくに「自分の性格に関すること」を問題にし、生きていく指針や行動の仕方について何もつかむことができないでいる自分への違和感を表明していること、(3)上記4因子との関係では、第1因子・第2因子と生活の満足度との関連が読み取れた。すなわち、「自分を抑えて周囲に合わせるような生き方」や「周囲から孤立するような生き方」は、直接的に生活の満足感・不満感に関係する。 3.自己の内面や対人関係に違和感を持つ事例の面接調査では、自分に向き合うこと、関係のあり方を学ぶことが問題解決への鍵であると理解された。自己不一致の葛藤に直面して、模索が始まっている。青年期から老年にいたるまでの各年代において、どんな模索や試行錯誤が体験されるのか、また上記の4因子と生活の満足度との関係がどのように変化していくのか、今後検討する予定である。
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