研究課題/領域番号 |
05610089
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
落合 良行 筑波大学, 心理学系, 助教授 (30092513)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 心理的離乳 / 親子関係 / 青年 / 孤独感 / 生活感情 / 友人関係 / 異性関係 |
研究概要 |
本研究は、2年度のわたる補助を受け進められた。初年度は、心理的離乳に関わる事例研究および心理的離乳を扱った物語の分析を行い、心理的離乳過程を分析した。その結果、心理的離乳へは、5段階の過程があるとの仮説が立てられた。2年目は、次の3点の検討が行なわれた。(1)心理的離乳への5段階仮説に関する心理学的な実証的検証。(2)青年期の代表的な生活感情である孤独感からみた心理的離乳の各段階の特徴に関する検討。 (3)論究的研究で言われている思春期における第1次心理的離乳と青年後期における第2次心理的離乳の存在の検証。検討方法および結果は、以下のようである。(1)心理的離乳への5段階仮説にそって、5段階それぞれの特徴を表わす項目が、父母別に作成された。その概念的妥当性が検討された上で、12歳から35歳まで者を対象として調査が行なわれた。その調査資料について因子分析が行なわれた。その結果、父・母どちらとの関係にも共通する6種類の因子があり、6種類の親子関係が青年期には存在することが明らかになった。(2)この6種類の親子関係が、青年期の中で発達的に変化する様子を年齢軸上で検討し、心理的離乳の過程を解明した。(3)次に、単なる年齢にそった解明ではなく、研究によって明らかにされている心理的な発達指標を用いて、心理的離乳の過程が検討された。適切な発達心理学的指標として孤独感の発達的変化が採用され、検討が行なわれた。心理的離乳に向かう親子関係の変化は、孤独感の発達的変化と対応していることが明になった。(4)思春期における第1次心理的離乳の存在は確かめられたが、第2次心理的離の存在は確かめられなかった。さらに、当初の目的にはなかったが、研究を1歩進めて、(5)以上の検討結果を総合し、親子関係からみた青年個人の心理的離乳状態を判断するための「心理的離乳状態診断スケール」の試作も行なわれた。
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