研究概要 |
本研究は3つの計画にしたがって実施された。それぞれの結果と進行状況について報告する。 1 計画1 これまでの実証的資料の収集と整理(文献研究) 格枠の獲得過程とパラメータの決定過程を実証的に示す内外の文献を検討した結果、次の2つの立場があることが明らかになった。(1)言語発達初期の段階では述語毎に個性がある(Tomasello,1992など)が、その後共通の特徴を持つようになるとする立場(岩立,1992など)、(2)言語発達初期の段階からかなりの共通特徴があるとする立場(Gropen et al.,1991など)。この両者の立場の適否を検討するために、平成6年度は内外の言語発話データベースの検討を行う。 2 計画2 言語獲得理論の整理(文献研究) 文献の検討の結果、次の3つの理論が言語獲得理論として現在重要であることが明らかになった。(1)生得的言語獲得理論(Chomsky,1981;Pinker,1989など)、(2)心理学的制約理論(Markman,1990;Kamiloff,1993;Clark,1987など)、(3)競合理論と機能主義(MacWhinney,1987など)。 3 計画3 家庭訪問による縦断的研究の実施 1年以上にわたる縦断的研究のため現在観察を継続している段階で、平成6年度中に観察結果を分析し、公表する予定である。
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