研究課題/領域番号 |
05610101
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
久世 敏雄 名古屋大学, 教育学部, 教授 (50006425)
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研究分担者 |
大野 久 新潟青陵女子短期大学, 助教授 (60176964)
平石 賢二 名古屋大学, 教育学部, 助手 (80228767)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 青年期 / 親子関係 / 個性化 / アイデンティティ / 縦断研究 |
研究概要 |
1.研究I 青年期におけるアイデンティティ探求の様相について、直面している課題とそれに対する対処行動の視点から検討を行った。対象は中学3年生から大学生までで合計5回にわたる縦断調査を行った。 その結果、以下の5点が明らかになった。(1)課題に直面する時期:アイデンティティ形成に関連した課題に直面する時期は内容領域によっても異なるが、学年差や性差以上に個人差も認められる。(2)直面している課題の内容:直面している課題の内容は単一の内容領域で示される場合と複数の内容領域が複雑に絡み合う場合とがある。特に後者については、個人にとっての独自の意味構造が内容領域の関連構造を規定している。(3)直面している課題の時間的変化:課題は一貫性をもっている場合と変動性があり多様化していく場合とがある。ここでも課題のもつ個人的な意味構造が問われている。(4)対処行動の内容:課題解決のための対処は、「自分で情報を収集し課題解決の方法を考える」行動と「他者の援助を受けようとする」行動、「課題解決ができず解決を延期する」行動に分類される。これらは単一に利用される場合と複数が同時に利用される場合とがある。このような対処行動のスタイルは他者に対する開放性と閉鎖性、独立性と依存性などのパーソナリティ特性との関連が強い。(5)対処行動の変化:対処行動は課題の内容や困難度によっても規定されるが、自我の適応的な力の表れとして自我防衛的行動から適応的行動へ移行する変化が認められた。 2.研究II 青年期の親子関係における個性化過程について 研究Iで調査対象となった大学生とその両親5組とその他の大学生の親子25組を対象として個性化概念測定のための家族相互作用課題を実施中である。前者の5組については個性化とアイデンティティ探求との関連が分析される予定。
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