研究課題/領域番号 |
05610104
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
|
研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
今塩屋 隼男 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (30044952)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 事象関連電位 / 認知機能 / 有意味語 / 重症心身障害 / コミュニケーション / コミュニケーション困難 / 重症心身障害児・者 / P_<300> / passive P_<300> / 両耳呈示 |
研究概要 |
本報告は、コミュニケーション因難児・者、特に、重症心身障害者の言語認知機能を事象関連電位(ERP)を用いて他覚的に検査することを目的に行った基礎的研究である。 初年度の2つの研究から、無課題下で種々のERP成分の測定が可能であり、その応用可能性が大きいこと、および、無課題下での言語認知を検討する場合の有意味語と無意味語の選択条件が明らかになった。また、有意味語と無意味語の違いが、それぞれERPのN_<100>、P_<200>、P_<300>、N_<400>、LPC成分に反映され、特にP_<300>以後の成分に有意味語と無意味語の違いが顕著に反映されることが明らかになった。これらの結果を踏まえ、2年度度に行った健常者に関する研究と重症心身障害者に関する研究から、以下の点が明らかになった。まず、健常者の場合、有意味語にはP_<300>とLPCが出現するがN_<400>は出現せず、逆に、無意味語には、N_<400>が出現するがP_<300>とLPCが出現しないことが明らかになった。また、重症心身障害児を、言語理解能力の良好群と不良群の2群に分類した結果、良好群の場合、有意味語では、健常者と同様にP_<300>とLPCが出現しN_<400>は出現しないが、無意味語では、健常者に出現したN_<400>が出現しなくなることが明らかになった。一方、不良群の場合には、明瞭なERP成分が得られなかった。 これらの研究結果から、ERPのN_<100>、P_<200>、P_<300>、N_<400>およびLPC成分の振る舞いを見ることによって、重症心身障害者のようなコミュニケーション手段をほとんどもたない人々の言語認知機能を他覚的に知り得ることが示唆された。
|